2014 Fiscal Year Annual Research Report
学術用超高速インターネットを利用した遠隔医療ネットワークの世界展開
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23256005
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 周次 九州大学, 大学病院, 准教授 (70274454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 雅夫 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30163570)
中島 直樹 九州大学, 大学病院, 教授 (60325529)
岡村 耕二 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (70252830)
永井 英司 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30264021)
浅野 光一 九州大学, 大学病院, 助教 (40593893)
大塚 隆生 九州大学, 大学病院, 助教 (20372766)
安徳 恭彰 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20529797)
工藤 孔梨子 九州大学, 大学病院, 研究員 (50644796)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遠隔医療 / 遠隔教育 / 情報通信 / 学術ネットワーク / 国際協力 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は各種学会や研究会との協力によるプログラムが多く企画された。第87回日本消化器内視鏡学会(福岡)、第55回日本神経学会(福岡)、第45回日本膵臓学会(北九州)、第27回日本内視鏡外科学会(盛岡)第4回アジア周術期看護学会(福岡)、メキシコ消化器病学会(カンクン)などがその主なもので、いずれも大成功で大きな反響を呼んだ。また8月と3月のアジア太平洋先端ネットワーク会議においても、多くのセッションの中で新たな試みやこれまでの技術的な問題点の解決を図ることが出来た。 地域医療に貢献する形での国内のプログラムも拡大しつつある。九州沖縄小児がん拠点事業を初め、佐賀大学手術カンファレンスや胎児心臓エコーアドバンス講座などがその代表である。新たな分野としては整形外科が参加した。さらに国立大学病院長会議との共催で第8回アジア遠隔医療シンポジウムを福岡で開催し、18カ国から合計200名の参加があった他、15ヵ国24施設が遠隔配信にて傍聴した。また海外研究者として、14か国から20名の医師や研究者を受け入れた他、院内から10名の医療スタッフや技術担当者がシンガポールの4医療施設を訪問して今後の共同研究の進め方について協議した。 本年度もこれまで最高の年間85回のプログラムが施行され、年間の記録を更新した。ハイビジョン伝送システムの利用もさらに増え続けている他、さらに高解像度の4Kによる手術映像の配信をチェコと台湾の間で施行した。日本国内での活動は国立大学病院がリードする形で国際活動の情報交換が積極的に行われ、技術的にいつでも接続ができる体制が整った他、地域への活動も活発である。海外ではアジアの枠を越え、南米やアフリカとのプロジェクトも順調に動きつつある。計画された新旧2つの技術的比較に関する論文も、予定通り発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遠隔医療教育のニーズは増加の一途を辿り、本年度もこれまでで最も多いプログラムを実施した。規模的にも多くの学会や研究会との共催が多い年で、インパクトとしても例年にも増して大きかったと思われる。また整形外科が新たな領域として参加した他、アジア遠隔医療シンポジウムを開催し、初の遠隔アジア病院長会議を企画したことも新しい試みであった。アジアのみならず、中南米やアフリカとの協力が順調に進む一方で、バングラデッシュやミャンマーでは国内でのインターネット環境の整備が遅れており今年度の新たな展開はなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は本事業の最終年度として、活動全体の総括を図る。アジアではタイ、マレーシア、フィリピン、インドネシアなどの国内ネットワークの進展に重点を置く。中央アジアや中南米地域への接続も継続的に推進する他、アフリカへの展開も重要項目の一つとして設定する。日本国内においても新たなハイビジョン配信システムと商用インターネットを複合的に駆使し、学術用高速回線が利用できない市中病院や地域医療施設への拡大を推進する。同時に日本国内では国立大学病院間の連携をさらに強め、海外へ向けた発信拠点としての機能を組織的に強化する。 医療コンテンツの充実へ向け、内視鏡領域では引き続き中南米との間にプログラムの実施を目指すと共に、アジア広域における定期的なプログラムの作成を強化する。さらに今後は感染症を重要なテーマの一つとして取り上げアジアにおける定期的なプログラムの確立を目指す。また患者を対象とする遠隔診療においてもその実用に向けた検討を継続する。 8月にはマレーシアで、1月にはマニラで開催予定の会議において種々の遠隔会議やデモンストレーションを計画し、最先端の技術と魅力ある遠隔医療プログラムをさらに多くの地域と共有する。また11月に韓国で開催予定のアジア遠隔医療シンポジウムや海外医師の招聘と国内医療スタッフの海外派遣を通して各領域における人的交流の促進とインターネットを利用した継続的プログラムの更なる強化を図ると共に、技術者の継続的教育プログラムの指針を示す。
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Research Products
(31 results)