2011 Fiscal Year Annual Research Report
小児肝がん研究グループによるアジア地域の小児肝がん調査と国際共同研究基盤整備
Project/Area Number |
23256006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
檜山 英三 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (00218744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田尻 達郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80304806)
菱木 知郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00375776)
渡邉 健一郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20324634)
大植 孝治 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50314315)
井田 孔明 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60313128)
上松瀬 新 広島大学, 病院, 病院助教 (90569881)
小倉 薫 広島大学, 病院, 講師 (10346653)
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Keywords | 癌 / 薬剤反応性 / ゲノム / トランスレーショナルリサーチ / 医療・福祉 |
Research Abstract |
日本小児肝がんについて、本邦グループ(JPLT)では、従来からの欧州、米国のグループ(SIOPEL・COG)との小児肝腫瘍国際コンソーシアム(CHIC)活動にて、本年は、フランス、パリ、米国・アトランタ等、アジア地域では韓国、台湾、中国、インドネシアなどの地域の調査を行った。罹患率、罹患リスクの検討:SIOPELやデータセンターを訪問し各項目の共通登録システムを確立する。それを用いて各国のデータを収集し、罹患率、診断や治療成績、人種差、家族内発症、出生体重、合併奇形、ウィルス感染等のリスクを調査し、米国における検体と本邦のものを共有し、遺伝的素因の解析を開始した。特に、CHICのデータベースの共通化作業として、病期分類は肝の区域によって分類するPRETEXT分類を基本として統一国際病期分類基準を策定し。本邦および米国の過去の症例も全てPRETEXT分類に読み直して登録した。さらに、国際共通の病理分類(悪性度判定基準)を米国及びフランスの会議で作成し、Webで中央病理診断システムを構築した。病期分類、病理分類、臨床経過、治療法、予後の結果の照合し、画像、血清、病理診断からの国際共通リスク分類基準を作成作業を開始した。あわせて、手術療法の有効性ヲ検証し、肝移植症例を検討し、肝移植の適応基準と共に評価法を検討した。また、予後調査として治療効果、副作用、晩期合併症(心・腎機能障害、聴力障害、成長障害、妊孕性障害、二次がん)の発症状況を共通の基準で正しく評価できるシステムとすべく、これらの定義と採取項目を決定した。組織バンクとして、人種間格差や遺伝素因等の検証のために、正常組織や腫瘍組織を収集し、分子生物学的探索あるいは分子標的検索のために、国際共同バンキングの設立を行うこととし、本邦と米国、欧米にある検体についてSNPアレイを用いた多型解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本邦と欧州・北米のデータを集積し、あわせてアジア地域のデータを収集して、肝細胞癌も含めて、小児肝がんの発生、進展の国際的なデータベース比較検討可能な評価法を確立して国際共同研究の基盤整備を行いWeb登録システムを構築し、世界の各地域から参画が可能な臨床試験のためのリスク分類のための解析を押し進めるべく研究を遂行した。本邦と欧州・北米のデータを集積に関しては、小児肝腫瘍国際コンソーシアム(CHIC)活動にて一部の解析を除いてはほぼ予定通りの進捗であると考えている。しかし、アジア地域のデータ収集がかなり困難であり、特にインドネシア、タイ、フィリピンなどでは診断基準も明かでなく、治療内容についても様々であり、今回のデータベースに入れ込むことが困難であることが明かになり、その方面の検討が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の結果を総括し、肝細胞癌も含めて、小児肝がんの発生、進展の国際的なデータベース比較検討可能な評価法を確立して国際共同研究の基盤整備を行いWeb登録システムを構築し、世界の各地域から参画が可能な臨床試験のためのリスク分類のための分類作業に着手する。 JPLTのデータに欧州SIOPELと米国COGのデータを加え、共通の病理、病期、臨床データ予後項目、晩期障害など共通項目、共通分類で作成した小児肝腫瘍国際コンソーシアム(CHIC)のデータベースを完成させ、あわせてアジア地域のデータを収集して、肝細胞癌も含めて、小児肝がんの発生、進展の国際的なデータベース比較検討可能な評価法を確立して国際共同研究の基盤整備を行いWeb登録システムを構築し、世界の各地域から参画が可能な臨床試験のためのリスク分類のための解析を押し進めるべく研究を遂行する。具体的には、インド、韓国、台湾等の疾患登録を開始している諸国や、中国、インドネシアなどの症例を可能な範囲で調査を継続するとともに、すでに集積されたデータの解析を開始する。また、肝芽腫の発生状況やJPLTは20年間ほぼ全数に近い登録を得ており、アジアのみならず南米やアフリカでの発生状況を調査し比較検討する。 また、SNPアレイや多型解析データを集積し、肝芽腫の発症要因、さらに家族集積性、生物学的特性などの解析を国際レベルで行い、人種間格差や発症年齢での格差についても検討を行う。
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Research Products
(24 results)