2012 Fiscal Year Annual Research Report
ITリスク対策に関する社会的合意形成を支援する多重リスクコミュニケーションの研究
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23300030
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
佐々木 良一 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (70333531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 英孝 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (00277237)
矢島 敬士 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (10385487)
吉浦 裕 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (40361828)
鮫島 正樹 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (80564690)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ITリスク / リスクコミュニケーション / 合意形成 / 社会的合意形成支援 / Social-MRC / 多重リスク |
Research Abstract |
(1)①オピニオンリーダ間の合意形成を支援するため対策案の最適組み合わせ機能を持つMRC-Studioと、②一般関与者との合意形成をUstreamやTwitterを改良したものを用いて支援するMRC-Plazaからなる社会的合意形成システムSocial-MRCの構想に基づき、一般関与者が数千人規模の場合の合意形成を可能とするため持つべき機能の詳細化を行った。 (2)MRC-Studioの改良を以下のように行った。(a)最適な対策案の組み合わせを求めるための求解の高速化を図り変数の数が20以上でも扱えるようにした。(b)MRC-Studioに十分な知識がない人でも定式化が容易にできるようにするために定式化支援機能を開発するとともに期待制約型最適化問題として定式化し、その解を求められるようにした。 (3)MRC-Plazaに以下の改良を加えた。(a)一般関与者の意見のうち、オピニオンリーダ間の議論に必要なものを機械学習などの機能を用い半自動的に抽出しファシリテータの表示する機能を開発した。(b)ファシリテータがオピニオンリーダとよりよいコミュニケーションが行えるようにするため討論の経過をグラフとして表示する基本機能を開発した。 (4)これを100人規模の一般関与者の参加者を得て「青少年のための情報フィルタリング問題」に試適用し、基本的有効性を確認するとともに、プライバシーを考慮しつつ多重投票を防止する機能の実現など改良すべき問題点を明確化した。 (5)Social-MRCに関する記述を含む書物「ITリスク学 情報セキュリティを超えて」を2013年2月に共立出版より発刊した。 (6)佐々木良一「ITリスク学の提案とリスクコミュニケーションに関する考察」情報処理学会DICOMO2012 (2012.7)が優秀論文賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Social-MRCの構想固め、MRC-Plazaなどの機能の充実、Social-MRCの100人規模での試適用並びにその評価など、当初計画した通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、最終年度でありつぎのとおり研究を実施する。 (1)Social-MRCに次のような改良を加えその有効性を確認する。 (a)機械学習やフィルタリング機能などを用いて有用な意見を自動選定し、ファシリテータに表示する機能を実用レベルまで持っていく。 (b)ファシリテータがオピニオンリーダや一般関与者とよりよいコミュニケーションが行えるようにするために音声入力を用い議論の推移をわかりやすく表示できるようにする。 (2)MRC-Studio、MRC-Plaza の改良試作版が一般関与者数千人規模の合意形成問題に適用可能であることをクラウド環境での実験やシミュレーションにより確認する。
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