2012 Fiscal Year Annual Research Report
時間基盤情報の蓄積と提供の試み-新たな時空間解析環境の構築
Project/Area Number |
23300097
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
関野 樹 総合地球環境学研究所, 研究推進戦略センター, 准教授 (70353448)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 時系列 / 地理情報システム / データベース / 可視化 / 年表 / 暦 |
Research Abstract |
(1)資料収集とデータ化: 3つの時間基盤情報のうち、これまでに集めた資料を基にして時間名辞書と暦法変換についてデータ作成を行った。後者については3つの暦(ユリウス/グレゴリオ暦、和暦、ユリウス通日)についてさらに詳細なデータを収集し、研究上実用可能なレベルまで検証を行った。残る基本年表については時間名辞書からのデータ生成のプロセスや時間名辞書とのシステムの共用を確認した。また、時間基盤情報の提供システムや利用者のパソコンなどでの利用するための基本的なライブラリの開発を終え、上記のデータを使いながら動作テストを行った。なお、研究開始当初から懸案となっているあいまいな時間の取り扱いについては論理的な検討を行い、実装への道筋をつけた。 (2)時間基盤情報の提供: 上記のデータを用い、時間名辞書と暦法変換について検索のためのシステム構築を行った。時間名辞書では、Web上での検索に加え、RDFや時間情報システムHuTime用のデータを出力する仕組みについても実証した。また、暦法変換については検証作業が済んだことから予定を前倒して機能提供を開始した。 (3)成果発信: 時間基盤情報の提供に用いるWebサイト(日本語版、英語版)を立ち上げ、供用を開始した。このWebサイトでは、時間情報システムHuTimeのソフトウェア本体を提供するとともに、利用事例、関連する論文、報告書、学会発表のプレゼンテーションデータなども配布や本研究のテーマである時間基盤情報についてもその必要性や概要について解説している。また、学会(PNC2012など)や海外の研究機関(故宮博物院など)で構築した時間基盤情報の検索や利用のデモを行い、出席者と意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
あいまいな時間の取り扱い方法や基本年表の検索など一部未実装の機能があるが、これらについても論理的な検証や試験的な構築を終えることができ、次年度に終了する目途が立った。一方で、次年度に行う予定だった暦法変換の機能提供などを前倒しで行っており、全体としてはおおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
3つの時間基盤情報のうち、残る基本年表についてデータ作成と提供システム構築を進めるとともに、時間基盤情報のWeb APIによる利用や既存のソフトウェアへ組み込むアドインやプラグインとしての提供を実現する。さらに、Linked Dataを使った提供について基本的な検証を行い、時間基盤情報の研究開発にかかる次のステップの足掛かりとする。また本研究の成果を研究終了後も安定的に提供するため、これらの機能を利用者や運用上の視点から検証するとともに、利用事例やマニュアルの整備を進める。
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