2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規神経回路操作技術による大脳皮質―基底核ネットワーク制御機構の解明
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23300119
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小林 和人 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90211903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 憲太 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70315662)
深掘 良二 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40457784)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 逆行性導入ベクター / イムノトキシン / 学習 / 皮質線条体路 / 視床線条体路 |
Research Abstract |
大脳皮質と基底核を連関する神経回路は、学習と行動の発現制御に必須の役割を持ち、この回路の活動異常は多くの神経・精神疾患の病態と深く関係する。本研究では、我々の研究グループで開発した独自の遺伝子改変技術を応用して、学習の獲得・実行・変換に関与する神経機構の仕組みの解明に取り組む。本年度は、視床束傍核から線条体へ入力する神経路の行動生理学的な役割に関して、Pavlovian-instrumental transfer(PIT)のプロセスへの関与を解析するために、ラットの背側線条体にヒトIL-2R遺伝子をコードする高頻度逆行性遺伝子導入(HiRet)ベクターを注入し、入力経路にIL-2Rの発現を誘導した後、視床束傍核に組換え体イムノトキシンを投与することによって、視床線条体路の選択的な除去を誘導した。次に、行動課題中の束傍核線条体路の神経活動を評価するために、Cre組換え酵素をコードするHiRet ベクターをラット線条体に注入し、その後、束傍核にloxP/変異loxP配列で隣接したチャネルロドプシン-2 (Chop-2) 遺伝子を持つアデノ随伴ウイルスベクターを注入した。Cre-loxP組換えにより経路選択的にchop-2遺伝子の発現を誘導した。次に、皮質線条体路の行動生理学的役割に関して、特に、運動野(M1/M2)や体性感覚野(S1/S2)から背外側線条体へ投射する経路の行動生理学的役割を明らかにするために、ヒトIL-2R遺伝子をコードするHiRet ベクターをマウス線条体に注入し、M1/M2とS1/S2への逆行性遺伝子導入を確認した。皮質の局所領域にイムノトキシンを投与することによって、皮質線条体路を選択的に除去する条件を検討した。これらの動物を用いて、視床線条体路および皮質線条体路により大脳皮質ー基底核回路が行動制御を媒介する機構を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、視床線条体路については、Pavlovian-instrumental transfer(PIT)プロセスや神経活動を測定するためのラットの作製の条件を確立できた。また、皮質線条体路を解析するためのマウスの作製条件も確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
視床線条体路のPavlovian-instrumental transfer(PIT)プロセスにおける役割については、この経路を選択的に欠損するラットを用いて行動生理学的な解析を行う。本経路の神経活動の記録については、経路選択的にチャネルロドプシンを発現するラットを用いて電気生理学的な研究を行う。また、運動野(M1/M2)や体性感覚野(S1/S2)から背外側線条体へ投射する経路の役割については、経路選択的な除去を誘導したマウスを用いて、自発運動、運動学習、弁別学習などの行動解析を行う。
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