2012 Fiscal Year Annual Research Report
マウス・ラット表現型の情報統合のための基盤技術の確立
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23300161
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
桝屋 啓志 独立行政法人理化学研究所, マウス表現型知識化研究開発ユニット, ユニットリーダー (40321814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 理一郎 北陸先端科学技術大学院大学, サービスサイエンス研究センター, 教授 (20116106)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 実験動物 / 表現型 / 疾患モデル動物 / オントロジー / データベース / 情報統合 / 人工知能 / バイオリソース |
Research Abstract |
マウスおよびラットは様々な技術を用いて実験解析が可能な疾患モデル動物として極めて重要であり、蓄積される多様な情報を効率的に整理統合し、研究コミュニティへ提供できる情報システムの開発が望まれる。本課題では、マウス・ラットにおける個体レベルの特性情報をシンプルに記述し、統合整理できるシステムの開発、検証を行うことを目指している。H24年度は、前年度に行なったデータベースの基本設計および、プロトタイプを拡張して、ヒト疾患データを導入し、マウスおよびラットの表現型から関連疾患を検索する基本プログラムを作成した。 1) ヒト疾患データの導入 東京大学にて開発された、疾患定義と、疾患に含まれる病態(異常状態)の推移のデータベースである臨床医学オントロジーを本システムに導入した。また、50疾患モデルケースのリストアップし、マウス・ラットにおける表現型に用いられる定性値と、疾患の異常状態との同等性を定義した。 2) マウスおよびラットの表現型から関連疾患を検索する基本プログラムの作成 上記の同等性情報を参照して、各異常値から、対応する異常状態を含む疾患を検索し表示するプログラムを作成した。 これらの拡張により、本システムは、数値データとして記述されたマウス・ラットの表現型データを、あらかじめ定義された複数の条件に照らして定性値化し、これが異常と判断される場合のみ、生物横断的に統合できる。さらに、その異常が臨床医療オントロジーに定義されている疾患と関連しているかどうかを検索する事ができる。当アプリケーションのユーザーは、詳しい医学知識を持たずとも、マウスおよびラットの測定データから、それと関連する疾患とその対応の根拠の情報を簡単に得る事ができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画にある通り、基本データの作成を行った。ヒト疾患データの導入および、表現型データと疾患との関連性を推論する基本プログラムの開発ができた。また、本研究が示す方法論を用いて、マウス、ラット、ヒトの表現型あるいは症状が相互に参照可能な形で正しく連結されていることが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスやラットの表現型データと関連づけるには、臨床医学オントロジーで示されるような、疾患に含まれる部分病態の連鎖が必要であり、Human Phenotype Ontologyなど、他の疾患オントロジーでは不十分であることが判明したため、今後は臨床医学オントロジーとの連結にフォーカスを当ててプロジェクトを進めることを検討している。 次年度は、データ構造の見直しを行い、変更されたデータ構造に従って、必要な場合はデータの再格納および、検証プログラムの修正を行う。また、当初計画していたゲノム、KEGGパスウェイ、Gene Ontologyなどの広範囲のデータの格納を検討するのではなく、実験動物研究と疾患研究のマッチングを行なえるような、公開Webページを作成し、コミュニティへに直接的に貢献を行なえるようにする。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Novel Mouse Model for Gardner Syndrome Generated by a Large-Scale ENU Mutagenesis Program.2013
Author(s)
Toki H, Inoue M, Motegi H, Minowa O, Kanda H, Yamamoto N, Ikeda A, Karashima Y, Matsui J, Kaneda H, Miura I, Suzuki T, Wakana S, Masuya H, Gondo Y, Shiroishi T, Akiyama T, Yao R, Noda T.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 網羅的マウス表現型解析データを用いたデータマイニング:ワークフローの検討2012
Author(s)
田中信彦, 茂木浩未, 鈴木智広, 金田秀貴, 三浦 郁生, 山田郁子, 古瀬民生, 小林喜美男, 土岐 秀明, 井上麻紀, 美野輪治, 野田哲生, 若菜茂晴, 桝屋啓志
Organizer
第35回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
福岡
Year and Date
20121211-20121214
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[Presentation] Development of Linked Open Data for bioresources2012
Author(s)
Hiroshi Masuya, Terue Takatsuki, Yuko Makita, Yuko Yoshida, Yoshiki Mochizuki, Norio Kobayashi, Atsushi Yoshiki, Yukio Nakamura, Tetsuro Toyoda,Yuichi Obata
Organizer
JIST2012: The 2nd Joint International Semantic Technology Conference
Place of Presentation
奈良
Year and Date
20121202-20121204
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[Presentation] 哺乳類バイオリソースのLinked Open Data データベースのアップデート2012
Author(s)
桝屋啓志, 高月照江, 斎藤実香子, 松庫義弘, 蒔田由布子, 吉田有子, 望月芳樹,小林紀郎, 吉木淳, 中村幸夫, 豊田哲郎,小幡裕一
Organizer
第35回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
福岡
Year and Date
2012-12-12
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