2012 Fiscal Year Annual Research Report
シュリーレン光学系を用いないシュリーレン法による超音波音場可視化装置の開発と評価
Project/Area Number |
23300182
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
工藤 信樹 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (30271638)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 孝一 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (30125322)
西田 睦 北海道大学, 大学病院, 臨床検査副技師長,超音波センター副部長 (90404722)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 超音波音場 / 可視化 / シャドーグラフ / 超音波診断装置 / 超音波治療装置 |
Research Abstract |
H23年度には,これまでの我々の検討結果を研究協力者である溝尻光学に技術移転し,提案手法を実現する新規設計した可視化装置を2台試作した.本年度は,試作装置を用いて以下の検討を行った. ・フォーカストシャドーグラフの基本特性の解明 本手法の基本原理であるフォーカストシャドーグラフ法では,カメラのフォーカス位置を変えることにより音場像に大きな変化が生じる.そこで音場像とフォーカス位置の関連を調べる実験を行い,試作装置の基本特性を明らかにした. ・診断装置の音場評価のための実験手技の確立 瞬時音場を可視化する本手法では,撮影時に超音波の照射タイミング信号が必要となる.しかし,市販超音波診断装置の超音波発生パターンは複雑であり,かつタイミングを外部に取り出せる設計にはなっていない.そこで,超音波診断装置を改造して同期信号を取り出す方法と,ハイドロホン(科研費購入)で計測した超音波信号を同期信号とする方法について検討した.その結果,両方法で同期信号を取り出すことに成功した. ・治療装置の音場評価 集束超音波治療の臨床を行っている東京医科大学病院にご協力をいただき,検討を進めた.まず,臨床装置から同期信号を取り出す方法について検討し,超音波発生に伴って生じる電気的ノイズが同期信号として使えることを確認した.次に,実際に可視化装置を大学病院に持ち込み,出力設定に依存した音場の変化,患者との接触状態による音場の変化を可視化し,治療装置の出力評価における音場可視化の重要性を確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度末からH24上旬にかけ,研究代表者の入院・加療により研究計画に遅れを生じた.対策として研究機関を6ヶ月間延長し,研究費も繰り越し申請を行った.この対策により,ほぼ当初の予定通り研究を遂行できた.
|
Strategy for Future Research Activity |
H25年度には,臨床用治療用装置の音場測定に関し,ご協力いただける施設を探して臨床用治療装置の音場可視化を引き続き進める.また診断装置の音場可視化について,各種の装置を所有する北海道大学病院(研究分担者西田)の協力のもと,種々の臨床装置の音場可視化を行い,本手法の有用性を示す.また,時間波形,音圧絶対値測定の可能性,音場像の歪みの補正法,低コスト装置の実現可能性についても検討する.研究を遂行する上での問題点は,治療装置の使用に協力いただける施設の確保である.治療装置は価格も高く,稼働率も高いので,基礎実験に協力先の選定に難渋している.
|
Research Products
(9 results)