2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規水素発生素材の経口投与による水素分子の老年病と生活習慣病の予防効果
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23300257
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
太田 成男 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00125832)
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Keywords | 生活習慣病 / ミトコンドリア / 酸化ストレス / 水素 / 水素吸蔵金属 / エネルギー代謝 |
Research Abstract |
私たちは、水素(H2)は体内に摂取することによって抗酸化作用・抗炎症作用・抗アレルギー作用を発揮することを明らかにした。水素の摂取法としては、水素ガスを吸引する、水素を溶かした水(水素水)を飲むなどの方法がある。最も、簡便で効果t歴な方法を開発することによって、実用化することを目標としている。本年度の目的は、効果的な水素の投与量を明確にし、最も効果的な摂取法として、H2を胃の中で発生させる素材とその投与法を開発することである。具体的な研究計画としては、H2の投与法としてMgH2を経口投与する方法の確立すること。H2の体内動態を観察すること。他の抗酸化物との比較すること。MgH2を摂取することによって、運動量と酸素消費量が増加することの検討。さらに、肝臓、消化管から分泌されるホルモンの網羅的同定。とした。MgH2は、水素吸蔵金属であり、水と反応して水素ガスを穏やかに発生させる。 本年度の研究では、MgH2をマウスに経口投与し、まず安全性を確認した。600倍の過剰投与を4週間繰り返しても異常は認められず、妊娠マウスに過剰投与しても母体・胎児・出生マウスに何ら異常は認められなかった。そこで、MgH2の経口摂取の安全性が確認された。MgH2摂取後に、血液の水素濃度をモニターすると、体内に水素濃度が増加し維持されることが確認された。MgH2経口摂取は、水素水を飲用するよりも脂質代謝に効果的であり、中性脂肪濃度を効果的に低下させた。さらに、エネルギー代謝促進効果が認められること、肝臓のFGF-21の合成を促進することを明らかにした。以上のように、ほぼ目的とその計画は達成した。他のビタミンと比較して水素の優位性を示す実験は、まだ行っていない。ただし、水素との比較は行っていないが、抗酸化物質としてクロレラの効果を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
具体的な研究計画をほとんど実施し、予想通りの結果をえた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画に従って、研究を遂行する。次年度の目標はメカニズムの解明であるので、予想通りの結果がでるとは限らないので、用意周到に研究を遂行する予定である。
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