2011 Fiscal Year Annual Research Report
中学生の技術に関わるガバナンス能力の調査とそれに基づいたカリキュラムの開発・検証
Project/Area Number |
23300294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
上野 耕史 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・研究開発部, 教育課程調査官 (20390578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 忠 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80314615)
谷田 親彦 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20374811)
藤本 登 長崎大学, 教育学部, 教授 (60274510)
藤井 道彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (50228962)
森山 潤 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (40303482)
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Keywords | 技術教育 / ガバナンス能力 / 特定の課題に関する調査 / カリキュラム開発 |
Research Abstract |
本研究は,科学技術リテラシーを定着させる教育的課題の一環として,中学生に技術の導入をコントロール(取捨選択)したり,マネジメント(管理運用)したりできる能力等の育成を目的とする。本研究では,これらの能力を技術に関わる「ガバナンス能力」と位置付け,中学生の能力の現状把握,また,その能力育成に必要な具体的な教育施策の提言ができることを研究の全体構想とする。 平成23年度は,申請者らが2008年に実施した特定の課題に関する調査(国立教育政策研究所による実施)の結果を(1)技術のアセスメント(事前・現状評価)(2)技術のコントロール(取捨選択)(3)技術のマネジメント(管理運用)(4)技術のデザイン(取捨選択・管理運用を踏まえた設計)の視点から再分析した。 その上で,先の調査の問題を,「材料と加工」「エネルギー変換」「情報」の各技術に分類した上で,上記の(1)~(4)の能力を評価できる問題にリメイクするとともに,新たに「生物育成」に関する問題も作成した。加えて,採点方法及び評価方法について検討した上で全国約900名を対象に予備調査を試行した。 調査結果を実際に採点し,その結果について「a中学生における上記(1)~(4)の能力に関する学習評価が可能かどうか」及び「b中学生が有するガバナンス能力の予備的評価」の視点で分析した。 分析結果に基づき,能力の把握が困難と判断された問題を再検討するとともに,次年度の本調査に向けて採点方法及びそれに対応した解答用紙等について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
効率的に採点・集計ができるよう、解答用紙の形式等まで検討を終了することができた。これにより調査数が4000人以上となる本調査を平成24年度早期に実施できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,全国調査のための問題を本格的に作成した上で、全国の公立中学校において,7ブロック(九州,中国・四国,関西,東海,関東,東北,北海道)から抽出した学校に対して、各技術1000名程度を対象に実施する。 調査結果の分析結果から明らかとなった現在の中学生における「ガバナンス能力」に関する課題を広く一般に周知するとともに,技術教育以外の分野からのこの能力に関する意見を集めるために、「ガバナンス能力に関するシンポジウム」を開催する。ここでの意見等も参考にしつつ、次年度以降のカリキュラム開発の方向性を明確にする。
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