2013 Fiscal Year Annual Research Report
中学生の技術に関わるガバナンス能力の調査とそれに基づいたカリキュラムの開発・検証
Project/Area Number |
23300294
|
Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
上野 耕史 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 教育課程調査官 (20390578)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 忠 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80314615)
谷田 親彦 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20374811)
藤木 卓 長崎大学, 教育学部, 教授 (00218992)
藤本 登 長崎大学, 教育学部, 教授 (60274510)
藤井 道彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (50228962)
森山 潤 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (40303482)
川島 芳昭 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (70282374)
古川 稔 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (90112276)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 技術教育 / ガバナンス能力 |
Research Abstract |
本研究は,科学・技術リテラシーを定着させる教育的課題の一環として,中学生に技術の導入をコントロール(取捨選択)したり,マネジメント(管理運用)したりできる能力等の育成を目的とする。本研究では,これらの能力を技術に関わる「ガバナンス能力」と位置付け,中学生の現状を把握するとともに,その育成に必要な具体的な教育施策の提言ができることを全体構想とする。 平成25年度は,まず,前年度実施した「ガバナンス能力に関する調査」に基づき明確となった,技術の「評価」に関する「特定の側面からしか現状をみていない」,「設計」に関する「十分にアイディアが創出される段階まで至らない」といった問題点について,「材料と加工」「エネルギー変換」「生物育成」「情報」のそれぞれの技術における結果についてさらに分析し,その能力を育成する上での課題を明確にした。 また,昨年度の「ガバナンス能力に関するシンポジウム」参加者を対象とした技術教育に関するアンケート調査の結果等も参考に,ガバナンス能力を育成するためのカリキュラム作成の基本的な考え方を検討し,協力校において実践し,その効果を評価した。具体的には「材料と加工」「エネルギー変換」「生物育成」「情報」のそれぞれに1~2校の協力校を依頼し,分担者とともにカリキュラムを作成・実践した。さらに,指導後に「ガバナンス能力に関する調査」を実施しカリキュラムの有効性を検証した。 その結果から明らかとなった「ガバナンス能力育成カリキュラム」の有効性を広く一般に周知するとともに,ロボットコンテスト等,各地で実践されている多様な技術教育担当者からこのカリキュラムに関する意見を集めるために,3月1日に,文部科学省を会場に技術教育シンポジウムを開催し,研究成果を公表した。また,パネルディスカッション等を行い,本研究の今後の方向等について広く参加者から意見を求めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は調査結果の分析を元にガバナンス能力を育成するためのカリキュラム作成の基本的な考え方を検討し,具体的な題材等を元に実践・評価することができた。また,その結果を関係学会はもとよりシンポジウム等で研究者だけでなく関係教員等にも公表したところ,多くの肯定的意見をいただくことができた。このことから,本研究の最終的な目標である,「ガバナンス能力育成のための教育政策の提言」の基礎的部分が明確になったと判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は,昨年度実践・評価したガバナンス能力を育成するためのカリキュラム作成の基本的な考え方と,それに基づく指導をより効果的なものとするために,再度協力校におけるカリキュラム検討と実践・評価を行う。さらに,それらの結果を元に「ガバナンス能力育成カリキュラム」を検討し,具体的な技術教育に対する改善意見をとりまとめる。 また、本研究の成果を技術教育担当者以外の工学,科学教育等,関連する教育関係者にも広め,意見交換を通してさらによいものとするために,本年度も「技術教育シンポジウム」を開催する。
|
Research Products
(10 results)