2011 Fiscal Year Annual Research Report
コースポートフォリオを活用した大学カリキュラムの質保証モデルの構築
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23300302
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田口 真奈 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (50333274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 毎実 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (70093432)
松下 佳代 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (30222300)
吉田 文 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10221475)
平山 朋子 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (80388701)
村上 正行 京都外国語大学, マルチメディア教育研究センター, 准教授 (30351258)
酒井 博之 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 准教授 (30283906)
稲葉 利江子 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90370098)
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Keywords | コースポートフォリオ / FD / カリキュラム / 質保証 / ICT / 大学授業 / MOST |
Research Abstract |
本研究の目的は、大学カリキュラムの組織的改善を支援するため、「コースポートフォリオ実践プログラム」を開発・アクションリサーチにもとづき、ICT活用を含めた汎用性の高い大学カリキュラムの質保証モデルを構築することである。「コースポートフォリオ」とは、個別コースの「デザイン」「実施」「学生の学び」に教員の省察を加えた文書であり、これを作成することにより、大学教員個人にとっては、学生の学びを踏まえたリフレクションが可能となり、また、これを組織的に導入することで、カリキュラム改善に寄与することが期待できる。本年度は下記の手順で「コースポートフォリオ実践プログラム」の開発・試行・評価を行った。その成果は論文等により公表されている。 (1)理論研究:コースポートフォリオ作成の際、個々の教員はコース内での学生の学びについての分析が求められる。そのため、学生の学びの成果物の取得と評価に関する方法論を検討し、実践プログラムに組み込むことが必要である。特に今年度は、大学授業をフィールドとして、学生の学習に基づく評価に関する研究を行った。 (2)実践プログラムの開発:理論研究を踏まえて、コースポートフォリオ作成者向けのテンプレートや教材、ワークブック作成などのソフト面、MOSTのシステムのバージョンアップなどハード面を整備し、実践プログラムを開発した。 (3)開発された実践プログラムの試行:教育経験・専門が異なる3名の大学教員の協力を得て、開発された実践プログラムに基づき半期に渡る、コースポートフォリオ作成の試行による形成的評価を行った。その結果、開発された実践プログラムによりポートフォリオをスケジュールに沿って完成させることができること、コースポートフォリオの作成によって、学生の学びやコースの振り返りが促進されたことが確認された。また、今後のコースの改善へ結びつく可能性が確かめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初年度計画であったコースポートフォリオ実践プログラムを開発し、試行し、評価し、それを論文として公刊することができた。 また、開発したコースポートフォリオ作成者向けのテンプレートや教材・環境を整備し、オンラインギャラリーの環境を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、開発されたコースポートフォリオ実践プログラムを組織内に導入し、カリキュラム改善にどのように活用していくかに関して、ハード面・ソフト面に関して、アクションリサーチを行うことである。特に組織的な導入を前提とする以上、当該組織の選定・連携体制について事前に十分に協議し、緊密な連携のもと、進めていく必要がある。
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Research Products
(22 results)