2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300324
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鉾井 修一 京都大学, 工学研究科, 教授 (80111938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 大輔 京都大学, 工学研究科, 准教授 (60283868)
高林 弘実 京都市立芸術大学, 美術学部, 講師 (70443900)
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Keywords | 闘鶏山古墳 / 植生 / CO2発生 / 棺床粘土 / 湿潤・乾燥 |
Research Abstract |
1.古墳周りの温熱環境測定 外気温湿度、日射量、降水量、風速など現地の気象条件や地下水位を定期的に測定した。また石槨周りの温湿度、含水率を測定し、古墳周りの温度上昇について検討した。 2.植生および地盤における熱水分挙動の測定 樹木伐採以前の闘鶏山古墳に類似した植生地として京都大学・桂キャンパス内の値域を選定し、植生周りの日射量、温湿度、風速の上下・水平方向の分布を計測する準備を行った。 3.カビおよび錆の状況調査 石榔内表面、埋葬品へのカビの発生状況、木製埋葬品の腐朽状況の変化、金属器への錆の発生状況を調べた。また、CO2、O2濃度との相関を調べた。 4.粘土の吸水・乾燥実験 粘土に水滴を滴下し乾燥を繰り返した場合の吸水および乾燥性状に関して文献調査を行い、粘土の膨潤・収縮挙動、化学変化過程を調べた。 5.土壌層への水滴の滴下実験 粘土における実験の準備段階として、礫土壌試料を作成し液滴を落下させ、水分の浸透状況をビデオ撮影した。その結果を用いて水分移動係数を算定した。 6.ネット周りの温熱環境計測 日射遮蔽ネット周りの日射量分布、温湿度、風速の測定を行った。ネットの高さを、以前の10~20cmから1.5m程度に変更したことに伴う変化を明らかにした。 7.断熱材周りの温熱環境計測 石槨内の温湿度計測用に設けられたパイプへの結露を防止するために地表の狭い面積に設置された断熱材周りの温度、含水率を測定した。これにより、温度変動緩和効果を明らかにした。 8.土木(保水性)シート周りの温熱環境・蒸発量測定 雨水流出防止のために設置されたシートは雨水を保持し、蒸発により土壌を冷却する。その冷却効果を把握するために、シート周りの温湿度・風速・.蒸発量を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
闘鶏山古墳周りの気象状況、土壌内部の温湿度、含水率などの計測は、ほぼ予定通り順調に進められた。また、土壌内部における熱・水分・CO2ガスの移動に関する解析モデルの作成と、それを用いた石槨内部のCO2濃度予測については、予定していた以上に進展した。水分の移動特性については、粘土に関する測定を行う予備的検討として礫土壌における液滴下実験を行い、妥当な移動係数測定を行うことができた。ただ、粘土層で構成された模擬地盤を対象とした種々の計測については、適切な計測対象用地の選定に時間を要し、次年度の準備を終える段階にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
闘鶏山古墳周りの気象状況、土壌内部の温湿度、含水率などの計測については、前年度とほぼ同様の計測・調査を継続し、基礎データの蓄積を行う。礫土壌における測定結果を参考に、粘土の湿潤・乾燥に伴う種々の特性変化の測定を行い、膨張、収縮などの特性を明らかにする。実地盤に模擬石槨を作成し、CO2発生のメカニズムを明らかにするための基礎的なデータの計測を行う。
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