2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300325
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
中尾 七重 武蔵大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (90409368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 盟児 広島国際大学, 工学部, 教授 (20249973)
吉野 博 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (30092373)
伊藤 洋子(渡辺洋子) 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40327755)
坂本 稔 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, その他 (60270401)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射性炭素年代調査 / 文化財建造物 / AMS / ウィグルマッチング / 汚染 / 有機溶媒洗浄 / 民家編年 / 古材年代 |
Research Abstract |
本研究は、歴史的建造物を対象にした放射性炭素年代測定の精度向上と有効性・信頼性の確立および普及を目的とし、文化財建造物の年代調査を行った。平成24年度には、1. 重要文化財旧古井家住宅(兵庫県、担当中尾)、2. 重要文化財茂木家住宅(群馬県、担当中尾)、3. 和光市指定文化財旧富沢家住宅(埼玉県、担当中尾)、4. 福山市鞆の浦澤村家倉庫(広島県、担当藤田)、5.重要文化財熊野神社長床追加調査(福島県、担当中尾)、6.重要文化財滝沢本陣横山家住宅追加調査(福島県、担当坂本)、7. 重要文化財箱木家住宅追加調査(兵庫県、担当中尾)の年代調査(試料採取)を実施した。また、既に試料採取済みのi餘慶寺薬師堂(岡山県)、ii川井家住宅(京都府)、iii亀井家住宅(京都府)、iv湯浅家住宅、v重要文化財岡花家住宅(京都府)、vi重要文化財彦部家住宅、vii重要文化財吉村家住宅の年代測定を行った。測定結果は各所有者・管理者に年代調査報告を提出し、文化財復原整備、文化財指定申請、文化財活用に年代情報が利用された。日本建築学会発表、日本文化財科学会発表、日本建築学会論文投稿、大学紀要投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた文化財建造物の年代調査が順当に進行している。また、建築史研究・民家研究に重要な文化財建造物の年代調査も順次実現しており、年代調査は順調に進行している。学会発表、論文投稿掲載、テレビ出演、記者発表、新聞掲載など、研究成果も学術論文から一般メディアまで幅広く行っている。一方、顕微鏡が一部破損するも部品の保管期間が終了しているので修理が不可能であり、想定外のため購入資金が予定になく、使用不能な事態となった。全体として、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究も後半に入り、研究をまとめ、成果を発表することに重点をシフトしてゆく予定である。まず、これまで行ってきた年代調査で建築年代や変遷年代が絞り込めなかったケースについて、追加調査を行う。具体的には、重要文化財箱木家住宅(兵庫県)、重要文化財滝沢本陣横山家住宅(福島県)、重要文化財吉村家住宅(大阪府)の追加調査を行う。また、重要文化財小林家住宅(東京都)、新宮城遺跡出土建築材、山形大学高感度加速器質量分析センターと共同で山形県指定文化財楢下宿脇本陣滝沢屋旧丹野家住宅の年代調査を行う。成果発表は、国立歴史民俗博物館第88回フォーラム「築何年? 炭素で調べる民家の年代研究最前線」において、関東地方の文化財建造物を中心にをこれまでの研究成果発表の実施予定。そのほか、近畿地方の文化財建造物年代調査で顕著な成果を得ているので、関西地域でも一般向けの成果報告の場を持ちたい。日本建築学会大会、日本建築学会近畿支部研究協議会、日本文化財科学会で研究成果の発表予定。
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