2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300325
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
中尾 七重 武蔵大学, 総合研究所, 研究員 (90409368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 稔 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (60270401)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射性炭素年代調査 / 文化財建造物 / 社寺建築 / 民家 |
Research Abstract |
1.調査研究:国指定史跡新宮城址および重要文化財滝沢本陣横山家住宅年代調査(平成25年4月17日~平成25年4月18日)、重要文化財吉村家住宅聞き取り調査(平成25年5月3日~平成25年5月4日)、重要文化財石清水八幡宮楼門年代調査(平成25年6月17日)、国指定史跡鉢形城見学調査(平成25年10月24日)、重要文化財土田家住宅年代調査(平成25年11月10日~平成25年11月12日)、大河内薬師堂年代調査(平成25年11月17日)、楢下宿滝沢屋・庄内屋年代調査(平成25年12月26日~平成25年12月27日)会澤家住宅年代調査(平成26年1月23日)、日向薬師宝城坊年代調査(平成26年2月25日~平成26年2月26日) 2.研究発表:2013 radiocarbon & archaeology国際学会発表(Gent, Kingdom of Belgium、平成25年4月7日~平成25年4月12日 )、第88回歴博フォーラム 築何年?炭素で調べる民家の年代研究最前線、講演(国立歴史民俗博物館講堂、国立歴史民俗博物館)、日本建築学会近畿支部研究発表会 研究発表(大阪工業技術専門学校、平成25年6月15日~平成25年6月16日)、日本文化財科学会 研究発表(弘前大学、平成25年7月5日~平成25年7月6日)、「喜多方市の歴史」再発見事業文化財シンポジウム 大発見!長床 解明された建築年代 講演(喜多方プラザ文化センター、平成25年8月25日)、日本建築学会大会研究発表(北海道大学、平成25年8月29日~平成25年8月30日)、国宝記念シンポジウム 鑁阿寺本堂を考える 講演(足利市民会館、平成25年8月31日)、長野県宝 池口寺薬師堂修理工事報告書 刊行 分担執筆(長野県大桑村 池口寺、平成25年10月25日)、Radiocarbon and archeology, accept "14C-dating and historical buildings in Japan", Nakao Nanae, Sakamoto Minoru, Imamura Mineo、和光市古民家愛好会 講演(新倉ふるさと民家園、平成26年3月26日)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に対して、文化財建造物所有者や修理技術者の方々が関心を寄せられ、重文石清水八幡宮、重文土田家住宅、大河内薬師堂、楢下宿、会澤家住宅、宝城坊の年代調査を実施した。 研究成果では、重文鑁阿寺本堂が放射性炭素年代調査などの建築調査により、関東最古の禅宗様仏堂であることが判明し、国宝に昇格指定された。地元足利市で国宝記念シンポジウムが開催され、当研究課題である放射性炭素年代調査について講演を行った。また、平成24年度に行った重文新宮熊野神社長床の年代調査について、地元で文化財シンポジウムが開催され、当研究課題である放射性炭素年代調査について講演を行った。 このように、文化財建造物を対象とする放射性炭素年代調査は実績をあげることができてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
放射性炭素年代測定、年輪年代法、酸素同位体比年代法の自然科学的年代調査法は、学術的にはすでに信頼性と有効性が確立した調査方法であり、本課題である自然科学的年代法を用いた文化財建造物年代調査は、建築史学との学際研究として確立しつつある。しかるに、今なお、自然科学年代法に対する批判や不信が日本社会に残されており、本研究を推進するうえでの障害となっている。今後は、さらに具体的な年代調査の実績をあげるとともに、本研究の信頼性・有効性についての啓蒙活動を行う。 また、建築部材の防腐処理や、塗布薬剤洗浄処理中にコンタミネーションが発生するなど、年代調査に新たな問題が発生しており、さらにこれらの解決方法を研究する。
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