2012 Fiscal Year Annual Research Report
特異的免疫反応から始まる癌を拒絶する生体反応の解析
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23300355
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
竹田 和由 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80272821)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 免疫 / 癌治療 / 癌抗原 / NK細胞 / IFN-γ / CTL |
Research Abstract |
本研究の目的は、癌組織内での免疫反応により誘発される癌を拒絶する生体反応を明らかにすることである。発癌および癌転移における抗腫瘍反応は自然免疫から始まると考えられ、B16メラノーマの肺転移に対する抵抗性にはNK細胞が重要であるが、それは肺に存在するNK細胞の細胞傷害活性によるものではなく、IFN-γ産生能により担われていること、そして引き続き起こるIFN-γに対する獲得免疫系以外の宿主反応が肺転移の拒絶に必須であることが示された。この実験系の延長としてBeta-glucosylceramide の投与による肝臓への転移抑制効果においても NKT細胞を含む肝臓のリンパ球によるIFN-γ産生が最初の抗腫瘍免疫反応であることを明らかにした。さらに、当初の実験計画には記載が無かったが、癌特異的抗原ペプチドを用いた臨床における癌治療との共同研究を始め、いくつかの新たな癌抗原ペプチドの同定を行うとともに臨床治療への応用研究を始めた。今後、倫理委員会の承認の下に臨床検体(患者抹消血および癌塊)を入手し、マウスを用いた解析により得られている結果をヒト臨床検体を用いても検討し、免疫療法における癌拒絶反応を含む生体反応の実態を明らかにできるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの癌塊組織を用いての遺伝子発現比較を終え、さらなる解析を進めているものの、腫瘍を拒絶する免疫系の研究も継続しており、そのために、腫瘍を拒絶する生体反応の解析という本来の研究目的の遂行は若干遅れていると思われ、今後、積極的に進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本来の癌塊内の腫瘍を拒絶する生体反応の解析を精力的に進めるとともに、マウスを用いた実験で得られている結果のヒト臨床サンプルでの解析、さらには癌細胞の免疫に対する反応の研究も進め、包括的かつ多面的に腫瘍内で起きている生物反応を明らかにすべく研究を進める。
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Research Products
(8 results)