2012 Fiscal Year Annual Research Report
HDAC分子標的エピジェネティクスPET診断の基礎及び臨床的応用
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23300361
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
西井 龍一 宮崎大学, 医学部, 講師 (60463212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水間 広 独立行政法人理化学研究所, その他部局等, 研究員 (00382200)
加川 信也 滋賀県立成人病センター(研究所), その他部局等, 研究員 (10393191)
東 達也 滋賀県立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (50324629)
川井 恵一 金沢大学, 保健学系, 教授 (30204663)
長町 茂樹 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40180517)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | PET画像診断 / 脳神経 / エピジェネティクス / フルオロ酢酸 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
①前年度研究に続き、小動物実験では、18F-FAHAは投与後速やかに体内HDACとの反応により18F-フルオロ酢酸(18F-FACE)に代謝されることがTLCやHPLCを用いた代謝物解析検討で確認された。 ②サルを用いた画像化検討をさらに重ね、18F-FAHA PETの臨床応用への期待が確認された。FAHAの薬剤安全性試験をH25年度行う予定である。 ③実験動物の加齢や脳代謝の変化、また脳血管障害モデル動物の脳代謝変化と18F-FAHA脳神経集積変化の関連が脳内HDACの局在と活性と密接に関連していることを示唆するデータが得られた。さらに検討をすすめた結果、脳血管障害モデルでの超急性期での脳集積はFAHAの代謝体であるFACEの脳神経細胞内集積の寄与が大きいことが示唆された。この集積にはモノカルボン酸トランスポーターが関与しているのではないかというデータが得られた。これまで報告のないデータであり現在検証作業や更なる集積機序解明研究を継続中である。 ④FAHAの体内動態を知る上で、その代謝物であるFACEの動態を追究する必要がある。そのため、基礎研究成果をもとにF-18 FACE-PETを臨床応用しはじめた。 ⑤18F-trifuluoro FAHAが18F-FAHAよりも脳神経集積に有望であるという実験結果が得られた。これは米国のGelovani博士との共同研究成果として得られた。これを受け、研究費を繰り越しし、新規化合物の組成検討や18F-trifuluoro FAHAの原料合成や放射線合成検討に着手した。これは次年度以降の検討に引き継いでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子発現過程で重要なヒストン蛋白の脱アセチル化反応に着眼し、その酵素:HDACの基質となるPET診断薬:18F-FAHAを新規合成し、癌組織内HDAC活性のBiomarkerとなるPET診断法を開発である。診断薬の候補となるF-18標識FAHAの合成に成功し、生化学実験、動物実験も順調に実施できている。 当該薬剤の脳神経診断検討も動物で行い、F-18 FAHAの体内代謝化合物であるF-18 フルオロ酢酸が急性期脳虚血病変診断に有望である可能性を示唆するデータは動物で得られている。F-18フルオロ酢酸の臨床応用も開始出来ており、脳神経疾患への応用も検討中であり、近い将来研究結果も得られると考えている。 F-18標識トリフルオロFAHAの有望性も得られたため、その合成検討にも順調に着手しはじめられている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)臨床応用に向けた18F-FAHA合成法の検討継続 滋賀県立成人病センター内のサイクロトロンにて、安全で安定 した合成・精製が出来るように詳細検討を継続し ていく必要がある。また、18F-FAHA以外のHDACを標的とした 診断薬18F-トリフルオロFAHAのスクリーニングと合成を検討を行って いく。 2)サルを用いた18F-FAHA PET検査 サルを用いその有用性検討を継続して行っていく。経時的に得られる全身像 と体内分布を詳細に検討し、将来の 臨床応 用に向けた18F-FAHA PET検査の至適撮像条件の最適化等を図る。ま た、画像検査と平行して静脈採血を 随時行い 、血漿中の18F-FAHA或いはその他F-18標識代謝物をHPLC法にて解 析し、本トレーサの霊長類での代謝 解析を行う 。PETデータや採血データを基に本トレーサの薬物動態解析も 行う計画である。本検討では、複数の サル及び撮 像に適したPET装置を必要とするため、理研神戸研究所チー ムや米国Wayne大学D r. Juri G. Gelova ni及び放医研等と研究連携を十分とりながら行う。 3)18F-フルオロ酢酸の画像化検討、代謝解析検討 18F-FAHAは脳や他生体組織でHDACにより代謝され18Fフルオ ロ酢酸(18F-FACE)として組織内に滞留すると予 想さ れる。この18F-FACEは新しい全身PETイメージングとして 有望であり、18F-FACE PETの臨床研究第一相試験 を継続する。18F-FAHA PETイメージングの前段階としての臨 床検討を行っていく。 4)18F-フルオロ酢酸の脳内集積機序および体内動態の解析を引き続き検討する。特に前年度検討で示唆された 脳虚血状態における18F-フルオロ酢酸の集積亢進現象の再確認とそのメカニズムを追求していく。 5)これまでの治験をまとめ論文化していく。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Imaging epigenetic regulation by histone deacetylases in the brain using PET/MRI with ¹⁸F-FAHA2013
Author(s)
Yeh HH, Tian M, Hinz R, Young D, Shavrin A, Mukhapadhyay U, Flores LG, Balatoni J, Soghomonyan S, Jeong HJ, Pal A, Uthamanthil R, Jackson JN, Nishii R, Mizuma H, Onoe H, Kagawa S, Higashi T, Fukumitsu N, Alauddin M, Tong W, Herholz K, Gelovani JG.
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Journal Title
Neuroimage
Volume: 64
Pages: 630-639
DOI
Peer Reviewed
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