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2013 Fiscal Year Annual Research Report

高密度マイクロアレイCGH法を用いた原爆放射線の遺伝的影響調査

Research Project

Project/Area Number 23310042
Research InstitutionRadiation Effects Research Foundation

Principal Investigator

小平 美江子  公益財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 室長 (60344412)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 浅川 順一  公益財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 主任研究員 (10359458)
古川 恭治  公益財団法人放射線影響研究所, 統計部, 副主任研究員 (00416421)
Project Period (FY) 2011-04-01 – 2015-03-31
Keywords原爆放射線の遺伝的影響 / アレイCGH / 全ゲノムスクリーニング / 原爆被爆者の家族解析 / 突然変異 / 生殖細胞突然変異率
Research Abstract

[対象者家族のCGH実験解析] 2組の家族のトリオ(父・母・子)をペアとして、各家族の父/父、母/母、子/子(同性)の組み合わせでCGH実験を行った。CGH実験は、より信頼性の高い結果が得られる"Dye-swap法"(DNA標識に用いる蛍光色素を交換して2回のCGH実験を行う方法)で実施した。平成24年度中にCGH実験ができなかった58組のトリオ(父・母・子)と、子供が2人以上いる対象家族においてトリオ実験に組込まなかった残りの子供136名、合計310名について実験を行い、計画していた176家族(父親被ばく92家族、母親被ばく84家族)の子供315名と両親合計667名のCGH実験を完了した。また、これらの内、149トリオ(父・母・子)についてのデータ解析(CNVの検出)を終了した。
[CNVの検出と突然変異候補の絞り込み] CGHデータ解析の結果、1人につき約350~450個のCNVを検出した。50人の親には2,745種類に分類できる合計 約26,000個の常染色体CNV(免疫関連遺伝子領域や性染色体を除く)を検出した。これらの多型の頻度で認められたCNVについては突然変異の候補にはしなかった。149組のトリオについてのCGH実験データの解析を行い、子供に稀なCNVが検出された場合は両親のCNVと比較検討した。詳細に解析した結果、合計30例のコピー数変異突然変異候補を検出した。
[未培養白血球DNAを用いた突然変異確認] CGHスクリーニングに用いたDNAは培養細胞から抽出したものである。突然変異が培養中に生じたものではないことを未培養白血球由来DNAで確認する必要がある。30例の突然変異候補については白血球からDNAを抽出し、qPCR法による遺伝子コピー数の定量を行い、18例が真の突然変異と判定された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度中にCGH実験ができなかった58組のトリオ(父・母・子)と子供が2人以上いる対象家族のトリオ実験に含まれなかった残りの子供136名、合計310名のDNAについてCGH実験を行うことができたので、計画していた176家族の子供315名と両親合計667名のCGH実験を完了することができた。
CNV検出のための解析はまだ終了していないが、平成26年度中には残りのデータ解析が終了できる。新たに検出される突然変異候補の確認、突然変異の種類、生成機序の推定なども完了して、リスクの推定まで本年度中に行えると考えている。

Strategy for Future Research Activity

CNV検出のためのデータ解析をしていない残り27組のトリオと子供が2人以上いる対象家族の子供136名、合計217名について解析を行う。検出される突然変異候補については、その子供と両親についてqPCR法による遺伝子コピー数の定量を行い、事象の真偽を確認する。突然変異であることが確認された例については、培養中に生じた突然変異かどうかの確認のために、突然変異が検出された子供とその両親の未培養白血球から新たにDNAを抽出して、qPCR法によりコピー数の変異を確認する。
確認された突然変異については、突然変異の切断点における塩基配列の決定を行い、突然変異の種類(欠失、重複等)と大きさについての解析を行う。突然変異の切断点とその周辺の塩基配列情報から、検出される突然変異のスペクトラムや生成メカニズムの推定を行う。
本研究では、すべての家族において一方の親だけが高線量被ばく者なので、個々の突然変異が被ばくした親で生じたかどうかを明らかにする必要がある。突然変異を持つ子供と両親のDNAについての1塩基多型情報を比較検討し、どちらの親に由来する突然変異かを明らかにして、被ばくした親の生殖細胞で生じた突然変異であるかどうか推定する。突然変異の種類、被ばくに関連する突然変異の数等を関連付けて、原爆放射線被ばくによる遺伝リスクについて考察を行う。調査した親のCNVについても種類と頻度をまとめる予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] The genetic risk in mice from radiation: An estimate of the mutation induction rate per genome2013

    • Author(s)
      Asakawa J, Kodaira M, Cullings HM, Katayama H, Nakamura N.
    • Journal Title

      Radiation Research

      Volume: 179 Pages: 293-303

    • DOI

      10.1667/RR3095.1.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Whole exome sequencing based genetic study of radiation.2013

    • Author(s)
      浅川順一
    • Organizer
      NGS現場の会第三回研究会
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場
    • Year and Date
      20130904-20130905
  • [Presentation] 自然突然変異と放射線誘発突然変異は識別できるか?

    • Author(s)
      小平美江子、三浦昭子、今中正明、辻隆弘、中本芳子、西村まゆみ、島田義也、浅川順一
    • Organizer
      日本放射線影響学会第56回大会
    • Place of Presentation
      ホテルクラウンパレス青森
  • [Remarks] 高密度マイクロアレイCGH法を用いた原爆放射線の遺伝的影響調査

    • URL

      http://www.rerf.or.jp/programs/rparchiv/rp04-11.htm

URL: 

Published: 2015-05-28  

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