2012 Fiscal Year Annual Research Report
ライブイメージングを利用した新規試験法による発達神経毒性評価と毒性発現機序の解明
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23310043
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
塚原 伸治 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (90318824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 文彦 独立行政法人国立環境研究所, 環境健康研究センター, 主任研究員 (40382866)
川戸 佳 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (50169736)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 発達神経毒性 / 神経突起 / ライブイメージング / ヒ素 |
Research Abstract |
神経発達障害を引き起こす化学物質の毒性については関心が高いが、膨大な化学物質の毒性を網羅的に評価することは難しい。健康に対する化学物質のリスク低減に向けて、データの信頼性を損なうことなく、試験の作業効率を向上させる必要があると考える。本研究では、発達神経毒性評価の作業効率向上が見込める培養神経細胞を用いた新規試験法を開発するとともに、被験物質の毒性メカニズムを明らかにすることを目的にしている。 これまでの研究から、蛍光タンパク質を強制発現させたマウス神経芽腫由来細胞株Neuro2aを用いて、神経突起と細胞生存生を同時にモニタできるライブイメージング手法を確立した。また、Neuro2aに対するヒ素の影響を調べた結果、細胞死を誘導しない低濃度のヒ素が神経突起伸長を抑制することが明らかになった。本年度は、神経突起伸長を抑制するヒ素の毒性メカニズムを明らかにするため、神経突起の細胞骨格の発現量に対するヒ素の影響を調べた。その結果、ヒ素を曝露したNeuro2aのニューロフィラメントのmRNA量は用量依存的に増加し、反対に、タウおよびチューブリンのmRNA量は用量依存的に減少した。しかし、MAP2およびアクチンのmRNA発現量はヒ素曝露の影響を受けなかった。以上の結果から、ヒ素による神経突起伸長の抑制は、神経突起の形成に関わる数種の細胞骨格の発現量がヒ素曝露により変化することで引き起こされると考えられた。また本年度は、蛍光タンパク質を発現するNeuro2aのライブイメージング手法を用いて、可塑剤として使用されるフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)の毒性影響を調べた。その結果、DEHPを曝露したNeuro2aは用量依存的に細胞死を起こした。今後は細胞死を誘導するDEHPの毒性メカニズムを明らかにする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該研究年度に計画した通りの研究を実施し、成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光タンパク質を強制発現させたマウス神経芽腫由来細胞株Neuro2aを用いて、神経突起と細胞生存生を同時にモニタできるライブイメージング手法を確立し、ヒ素の曝露影響と毒性メカニズムに関する研究を進めた。また、開発した試験手法の有用性を確認するため、被験物質としてヒ素の他にDEHPを加え、その曝露影響を調べてきた。その結果、ライブイメージングを活用した新規in vitro試験法の有用性が示され、被験物質の毒性メカニズムの一端が明らかになってきた。これらの成果は、本研究の目標達成において重要であるが十分であるとは言えず、今後は開発試験法のデータ信頼性を担保する研究成果が必要であると考えている。そこで、動物個体の曝露試験を実施して、その結果を開発したin vitro試験法による試験結果と比較検証することで、開発試験法のデータ信頼性を提示する計画である。
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Research Products
(25 results)