2011 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系による構造変化・イベント生起の推定とリスク制御・オプション評価への応用
Project/Area Number |
23310104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
時永 祥三 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (30124134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 廣隆 九州大学, 大学院・経済学研究院, 准教授 (00346826)
大西 俊郎 九州大学, 大学院・経済学研究院, 准教授 (60353413)
高橋 規一 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (60284551)
中西 一 佐賀大学, 経済学部, 教授 (30284475)
池田 欽一 北九州市立大学, 経済学部, 准教授 (10334880)
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Keywords | OR / 社会システム / ファイナンス / モデリング / 経営システム |
Research Abstract |
情報システムの高度化や情報ネットワークの基盤整備,経済のグローバル化にともない,リスクが伝播し影響する範囲も拡大している。今回の基盤Bにおける新たな研究の必要性が存在するテーマは,1)経済や企業をとりまく環境などの変化を中長期的な構造変化と短期的なイベント生起に分類し推定する,2)リスクの存在の予測とそのリアルオプションの設定について可視化する,3)ベイズ推定など理論的な背景をもつ複雑系による分析である。本研究の第1年目においては複雑系理論の新分野・未開拓分野の集中的研究を実施し,これまで研究されてきた複雑系の基礎理論に加えて新たに提起されている新分野・未開拓分野について集中的な研究を実施した。1)非線形関数近似およびベイス手法による構造変化の推定:構造変化を観測されるデータから推定する手法として粒子フィルタおよびベイズ推定の手法を適用し,非線形関数の近似問題を遺伝的プログラミングの手法により求めた。2)イベントの共起現象の推定とブースティング手法の適用:事故や在庫の欠損など稀にしか生起しない,いわゆるレアイベントとしてとらえており,その検出において学習と共起現象の検出による方法を適用した。経済構造の変化を非線形ベクトル自己回帰モデルにより分析した。3)リスク分析の可視化:リスクの推定やその計量化リアルオプションの評価について,グラフィックスを用いた視覚的な提示を考察した。Kernel-based手法により大規模な判別分析を実施した。4)観測データからの因果関係と要因の抽出分析:アンケート調査など,さまざまな側面が含まれるデータから因果関係や影響する共通の要因を推定するベイズネットワークと呼ばれる図式を適用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会での研究発表を多数行いこれを論文として投稿し、その多くが採録され学会の論文誌に掲載されている。また、研究内容に関しても今年度計画していた「新たな未開拓分野への挑戦」はほぼ達成されていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策については、この科研の申請時に立案したとおりに実施することだけを念頭においている。現在のところ実施の初年度における実施目標はほぼ達成されており、分担者各位の研究が順調に進んでいる結果であると考えている。なお、研究実施の中間段階では新しい、しかも実現が困難な課題が出現する可能性もあるが、大幅な予算の組み替えをともなうものとは考えていない。
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Research Products
(32 results)