2012 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系による構造変化・イベント生起の推定とリスク制御・オプション評価への応用
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23310104
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
時永 祥三 九州大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (30124134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 廣隆 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (00346826)
高木 昇 九州産業大学, 商学部, 准教授 (00363317)
池田 欽一 北九州市立大学, 経済学部, 准教授 (10334880)
中西 一 佐賀大学, 経済学部, 教授 (30284475)
松野 成悟 宇部工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30290795)
高橋 規一 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (60284551)
大西 俊郎 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60353413)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | OR / 社会システム / ファイナンス / モデリング / 経営システム |
Research Abstract |
今回の基盤Bにおける新たな研究の必要性が存在するテーマは,1)経済や企業をとりまく環境などの変化を中長期的な構造変化,イベント推定,2)リスクの存在の予測とそのリアルオプションの設定,3)ベイズ推定など理論的な背景をもつ複雑系による分析である。今年度の研究実績は次のようにまとめられる。1)構造変化推定における複雑系の基礎理論の整備について、粒子フィルタによる状態推定とその方程式記述を複雑系の理論により行う円滑に適用できる環境を整備した。更にカオス・フラクタルによる力学系の定式化、予測・制御可能性の研究を深化させることができた。2)イベント生起の推定とリス ク予測手法の確立については、今年度はこの方法の基礎を調査するとともにカオス力学系による状態変化とその同時進行を用いた分析に着手している。3)自己組織化を基礎とするエージェント理論の検証について、エージェントシミュレーションの手法を再点検することと同時に、エージェント行動を推定する方法論についても事例として考察した。多量のデータからリスク管理に有効な多段ファジイルールを構成する場合学習の基礎理論として,遺伝的アルゴリズムを用いた適応的最適化手法を開発した。具体的にはサプライチェーン形成における小売業者と製造業者の間における情報共有の効果をパターン化して分析した。4)ショック応答による投資・整備の波及効果分析について、ベクトル多変量自己回帰モデルにより記述される社会や経済のマクロ的な関係に基づいて短期的な政策実施に相当するショックを入力として加えた場合の応答を統計的に分析し,金融と株価の関係、投資と生産・雇用増加との関係分析に適用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究成果については予定した計画にしたがった実績をあげる ことができていると認識している。したがってこの成果に基づいて次年度以降も 継続して研究を実施できる体制にあるといえる。学会の論文誌への掲載については 今年度の成果は年度内の掲載には間に合っていないが、成果を確認する件数として は十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年までの実績を踏まえて、科研の採択時に計画している25年度の実施 予定を着実に行っていく。
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Research Products
(21 results)