2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域の男女共同参画の取組を核とした移民女性のエンパワーメントと支援に関する研究
Project/Area Number |
23310195
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Research Institution | National Women's Education Center |
Principal Investigator |
中野 洋惠 独立行政法人国立女性教育会館, 研究国際室, 研究国際室長/主任研究員 (60155786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 美穂 独立行政法人国立女性教育会館, 研究国際室, 研究員 (40415352)
越智 方美 独立行政法人国立女性教育会館, 研究国際室, 専門職員 (70524403)
野依 智子 独立行政法人国立女性教育会館, 研究国際室, 研究員 (40467882)
飯島 絵理 独立行政法人国立女性教育会館, 研究国際室, 客員研究員 (70415355)
石崎 裕子 独立行政法人国立女性教育会館, 事業課, 専門職員 (00434150)
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Keywords | 移住女性 / 国際情報交換 / ジェンダー / 男女共同参画 / 在住外国人 / 人身取引 / アジア / 女性関連施設 |
Research Abstract |
本研究の目的は、移民女性が抱える課題解決に資するために、(1)1980年代以降に来日、定住している移民女性が抱える、女性の人権に関わる問題と解決に必要な支援を把握し、(2)その課題解決に重要な役割を果たす社会システムとして、女性関連施設を拠点にしてつながる諸関係機関・者に着目して現行の連携・協働の取組の課題分析を行うこと、及び、その結果を踏まえ、支援者・当事者の力量形成に資する参加型学習プログラムの開発を行い、地域のセーフティーネットとしての連携・協働のシステム構築を図る実証的・実践的研究を行うことである。 三年計画の1年目である平成23年度は、第一に、移民女性の受け入れを早くから行っている米国とオーストラリア、そして男女平等指数が日本と似ており、かつ受け入れ国であり送り出し国である韓国について、移住政策・施策、支援団体や自助グループに関して先行研究を調べた上で、訪問ヒアリング調査を実施した。第二に、日本の自治体および女性関連施設における移民受け入れや移住女性に対する施策・状況について調べた。第三に、日本の移住女性支援団体等にヒアリングを実施。第四に、送り出し国であるフィリピンおよび韓国と米国および日本の行政、研究者、市民団体の参加を得て行われた「米国・日本・韓国フィリピンの女性リーダーの学際的知的交流プログラムー女性の移動、人身取引と女性の人権ー」を開催し、人身取引と移民女性に係る法律や政策、現状の課題に関する意見交換を行った。プログラムの実施にあたり、米国の女性政策研究センター、韓国の女性政策研究院、フィリピン大学女性学研究センターの協力を得た。 成果発表として、米国調査についての論文を寄稿し、4か国の女性リーダーの学際的知的交流会議の報告書を作成した。また、学会等での発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年計画の1年次として、外国人女性の必要とする支援や教育・啓発活動について、海外および国内の実態を調査し、明らかにした。 米国、韓国、フィリピンの海外連携協力3機関と行った事業は、関係機関の日程調整の都合上、繰り越して2012年4月に実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、第一に、海外調査として、フィリピン大学や韓国女性政策研究院(KWDI)の協力を得て、アジアの送出国に位置付けられるフィリピンやタイの制度や取組を調べるとともに、アジアの受入国に位置付けられる韓国のフォローアップ調査を実施する。 第二に、公的機関における取組について、自治体の取り組み状況について質問紙調査を実施する。 第三に、移民女性・自助グループ、支援団体の取組についてヒアリング調査を実施する。これまで主に人身取引被害やDV被害にあった移民女性の支援を行ってきた全国各地の支援団体および移民女性自助グループと移民女性を対象に、移民女性の支援の実態やニーズから、女性たちが日本で抱える複合的なジェンダー問題の要因分析を行う。 第四に、地域のセーフティーネットの役割を担う支援者・当事者及び送出国の関係者の力量形成に資するプログラムについて検討する。
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