2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23320004
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高橋 隆雄 熊本大学, 大学院・社会文科学研究科, 教授 (00145278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 篤 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (80283612)
児玉 正幸 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (90183342)
ダリル・R メイサー 熊本大学, 社会文化科学研究科, 客員教授 (90467994)
藤井 可 佐賀大学, 医学部, 講師 (80576819)
オン・クウォック ライ 関西学院大学, 総合政策研究科, 教授 (40309406)
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Keywords | 生命倫理 / 三層構造 / 日本の生命倫理 |
Research Abstract |
本研究はアジア諸国の生命倫理の実践と理論の連関構造を分析することをめざしている。分析の方法は、(1)医療や生命科学の現場での判断や医療実践の現状、(2)医療や生命科学の現場に指針を与える具体的原理、(3)具体的原理の根拠となる基礎的概念や原理、という「三層」の関係を体系的に探るものである。H23年度は6月に全体会議を開催して調査研究の全体計画について検討し、それに基づいて、台湾、中国、韓国、イラン、インド、タイ、パキスタン、フィリピン、ロシアの生命倫理研究者による調査研究と、法的観点や普遍的原理の観点等を分担する日本人研究者による研究を実施した。研究の内容は終末期医療における三層構造の分析を主とするものであり、12月5日に熊本大学において科研費研究国際セミナーを開催して各国の研究者が研究成果を発表した。その内容はEubios Journal of Asian and International Bioethisに掲載された。本研究は、アジア諸国の生命倫理を三層構造に基づいて体系的に分析するものであり、普遍的視点とローカルな視点の両者を不可欠とする生命倫理研究にとってきわめて大きな意義を有している。特に、普遍的原理を両側から挟む、具体的で文化的・ローカルレベルと、普遍的原理の基礎にある抽象的あるいは宗教的レベルとの親密な関係の究明は、応用倫理一般の研究にとっても有意義である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体会議では種々の生じうる問題を検討し対策を考えたため、それ以後の調査研究はほぼ計画通り進むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の大幅な変更は必要としないが、一部の研究分担者が退職したためその補充をする必要がある。
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