2012 Fiscal Year Annual Research Report
初等・中等教育における哲学教育推進のための理論的・実践的研究
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23320006
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
寺田 俊郎 上智大学, 文学部, 教授 (00339574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中岡 成文 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00137358)
森 秀樹 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (00274027)
豊田 光世 兵庫県立大学, 環境人間学部, 講師 (00569650)
直江 清隆 東北大学, 文学研究科, 准教授 (30312169)
山田 圭一 千葉大学, 文学部, 准教授 (30535828)
河野 哲也 立教大学, 文学部, 教授 (60384715)
本間 直樹 大阪大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90303990)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 初等・中等教育 / 哲学教育 / 子どもの哲学 / 対話 / 市民性(シティズンシップ)教育 / 道徳教育 / 批判的・創造的思考 / 国際研究者交流(オーストラリア) |
Research Abstract |
(あ)研究文献の収集とサーベイ:子どもの哲学関係の研究文献および教材を中心に収集・サーベイを行い、M. Lipman: Philosophy in the Classroomなど基本的なものを資料として翻訳する準備を進めた。(い)国内外の哲学教育の実践の調査・研究:国内では、東京都の公立中等教育学校、横浜市の公立小学校、長野県の公立高等学校、兵庫県の公立小学校、大阪府の公立高等学校、京都府の私立高等学校などで実践されている哲学の授業を調査・研究し、具体的プログラムの作成と練成のための資料を蓄積した。また、海外では、シンガポールのラッフルズ・インスティチューションの哲学教育を調査・研究し、中等教育における哲学教育の意義と方法にかんして知見を深めた。(う)共同討議:公開の共同討議を2回開催し、初等・中等教育学校の現職教員の参加も得て、高等学校向けの哲学読本の活用、初等・中等教育学校における哲学教育の多様な意義と方法に検討を加え、具体的プログラムの作成と練成のための資料を蓄積した。(え)海外の研究者・実践者との共同研究:オーストラリアのティム・スプロッド氏を招へいして、初等教育における哲学教育の意義と方法、教員養成にかんする情報を提供してもらうとともに、日本の哲学教育の状況について情報を提供し、意見交換した。(お)具体的教育プログラムの作成と練成:最終年度に完成する予定のプログラムに向けて、埼玉県の私立中学校、神奈川県の私立小学校の協力を得て試行的プログラムを実施し、その有効性を検証するとともに改善すべき点を確認した。(か)研究成果の公表:引き続きウェッブ・ページを通じて研究成果を公表するとともに、国内外の関連学会で報告し、関連領域の研究者・実践者との連携を深めた。日本哲学会(2012年5月)、国際哲学プラクティス学会(2012年7月)、教育哲学会(2012年9月)などである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初等・中等教育において哲学教育がもつ意義について、学力の基礎、市民性教育、道徳教育の観点から、および反省的思考、批判的思考、協働的思考、創造的思考の観点から、理論的に明らかにすることができた。 また、具体的な哲学教育プログラムを作成し、それを多様な学校の教室で試行的に実施することによって、その実施可能性と有効性とを確かめるとともに、その経験をもとにさらに実施しやすく有効なプログラムに練成することができた。 さらに、学会での発表、公開研究会、公開ワークショップなどを通じて、関連分野の研究者や実践者、現職教員との連携を強め、その協力を得ることによって理論的・実践的研究をさらに進める体制が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
理論面では、引き続き学力の基礎、市民性教育、道徳教育の観点から、また、反省的思考、批判的思考、協働的思考、創造的思考の観点から、哲学教育の意義を明らかにすることに努めるとともに、それらの効果を実証的に測定・評価する方法について研究を進める。海外ではすでに哲学教育の効果にかんする実証的研究の蓄積があり、それをサーベイすることはもちろんであるが、本研究で実施している試行的プログラムに即して効果を測定・評価する方法について研究を進める。 実践面では、引き続き各学校で哲学教育プログラムを実施し、改善していくとともに、使いやすい授業案と教材を開発し、哲学教育プログラムの実施者養成の方法についても研究を進める。 これまで招へいした海外の研究者との共同研究を続行するとともに、これまで交流のなかった地域の研究者を招聘し、新たな共同研究を開始する。特に、独特の哲学教育の展開を見せているアジア地域、南米地域に注目している。 引き続き、国内外の学会での発表、公開研究会、公開ワークショップなどを通じて、関連分野の研究者や実践者、現職教員との連携して理論的・実践的研究を進めていく。
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[Presentation] Participative Democracy and Philosophy for Children2012
Author(s)
河野哲也
Organizer
The 2nd International Symposium on Perspective and Reflection on the Philosophical Practices in Asia
Place of Presentation
Srey Dim Conference Hall, Paññāsāstra University of Cambodia, South Campus, Phnom Penh, and Tara Angkor Hotel, Siem Reap
Year and Date
20121124-20121130
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