2012 Fiscal Year Annual Research Report
「東アジア共同体」という概念の歴史的変遷と思想的葛藤
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23320024
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高坂 史朗 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (20170178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 暁東 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (10405475)
川嶌 一穂 大阪芸術大学短期大学部, 英米文学科, 教授 (30310717)
鈴木 伸太郎 近畿大学, 社会学部, 教授 (40247953)
野崎 充彦 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (90244623)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 東アジア / 思想史 / 日本 / 中国 / 朝鮮 / 近代化 / 啓蒙主義 / ロマン主義 |
Research Abstract |
研究課題「「東アジア共同体」という概念の歴史的変遷と思想的葛藤」の研究活動のために昨年度は「東アジア研究会」を5回行った。 1.平成24年7月13日高坂史朗「東アジアの文化の相互作用」および上海シンポジウムの準備会 2.平成25年3月3日李暁東「転形期における中国と日本」および今年度の反省会 3.平成25年3月14日シュテファン・マテューシェック教授(イエナ大学)「東アジアと啓蒙主義」および平成25年度の秋のシンポジウムの準備会・討議 4.平成25年3月15日カースティン・ケンクリーズ教授(イエナ大学)「近代化によって失われたもの」およびシンポジウムに関する討議 5.平成25年3月16日今西謙治(イエナ大学)「ヘルダーと和辻哲郎」 その他に高坂史朗は中国、ドイツに講演・調査研究、野崎充彦は韓国、台湾に調査研究・講演、李暁東は中国に講演・調査研究、鈴木伸太郎はドイツに調査研究に赴いている。 なお、平成24年11月に予定していた上海外国語大学との共催行事「東アジアの文化の相互作用」国際シンポジウムは急激な政治情勢の緊迫化で延期せざるを得ず、それに関連した諸研究活動(常州外大・厦門大学)も今年度は実施できなかった。ただ延期であって中止ではなく、研究者間の信頼関係は引き続き強固なものである。次年度開催を模索したい。今回の事態が示すことは、東アジア間の相互作用はただ協調関係のみならず、対立関係も含めて相互に作用することが近日の政治情勢から明らかであり、その文化的差異性を見つめることの重要性が一層高まっている、と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年の秋までは上海でのシンポジウムに向けて順調に研究活動を実施し得たが、9月およびそれ以前からの日中間、日韓間の領土問題をめぐる政治情勢の緊迫化により、11月に予定していた上海外大でのシンポジウムおよびそれに関連する諸研究活動〈常州外大・厦門大学〉を延期せざるを得なくなった。さらに韓国への展開もなしえなかった。本研究は「対話」を基礎とするので、文献研究では不十分である。その「対話」の基盤が整わないとなしえない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで東アジア内での対話研究を主に行ってきた。来年度はヨーロッパからの東アジア視点を展開する。具体的には平成25年10月にドイツ・イエナ大学啓蒙主義研究所との共催によって「東アジアと啓蒙主義」のシンポジウムを実施する。東アジアにおける近代化の問題を探ることにあるが、同時に「東アジア共同体」の課題をヨーロッパ共同体の側から照射する。
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Research Products
(11 results)