2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23320038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto National Museum |
Principal Investigator |
佐々木 丞平 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 館長 (20144313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西上 実 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部, 部長 (40142632)
赤尾 栄慶 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部, 上席研究員 (20175764)
山本 英男 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部, 美術室長 (10200833)
久保 智康 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部, 企画室長 (50234480)
宮川 禎一 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部, 考古室長 (30280530)
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Keywords | 美術史 / 南山城 / 仏教美術 |
Research Abstract |
平成23年6月30日、7月1日・2日・5日・6日ののべ5日間にわたって京都府木津川市加茂町所在の海住山寺の文化財総合調査を行った。調査は本堂・庫裡・土蔵・旧堂などに所在する彫刻・絵画・書跡・工芸などをすべて調査して調書を制作し、必要な作品文化財に関しては写真を撮影するものであった。 彫刻は本堂内および土蔵内部の諸尊像を調査し、撮影を行った。絵画では旧山城国分寺所蔵だったと推定される中世の仏画が発見されるなどの成果があった。また、近世初頭と見られる未報告の障壁画が発見された。この障壁画については将来の展覧会への展示を前提に、京都国立博物館で寄託を受けてその修理と綿密な調査をおこなうこととした。書跡においては海住山寺文書の全貌をリスト化した。工芸作品では中~近世の金属製仏具の詳細な調査を行った。 また青白磁の壺や香炉など上質の輸入陶磁器の調査撮影を行った。この文化財調査には博物館の学芸スタッフをはじめ調査研究ボランティアや撮影カメラマンなど5日間でのべ60名以上が参加した。 平成24年2月13日14日の2日間にわたり京都府相楽郡笠置町の笠置寺において収蔵の文化財総合調査を行った。つづいて2月16日・17日の2日間について京田辺市の一休寺で文化財調査を行った。さらに2月20日には木津川市山城町の蟹満寺、21日・22日には同市の神童寺において文化財の総合調査を行った。いずれの寺院においても従来注目されなかった仏像や仏画・工芸作品・絵画作品などの発見があり、重要な成果があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三ヶ年計画で全12ヶ寺の調査を予定していたうち、海住山寺・笠置寺・一休寺・蟹満寺・神童寺の5寺院の文化財調査を行うことができたので、調査研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度からは、その他の調査対象寺院での文化財調査と並行して、これまでのデータを集積して分析し、報告書を作成するための作業を実施する必要がある。また京都国立博物館での特別展覧会開催へむけての作品選定などの準備作業も行うことが必要となる。
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