2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23320077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
千田 大介 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (70298107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二階堂 善弘 関西大学, 文学部, 教授 (70292258)
材木谷 敦 中央大学, 文学部, 教授 (70307172)
山下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (20383383)
師 茂樹 花園大学, 文学部, 准教授 (70351294)
上地 宏一 大東文化大学, 外国語学部, 講師 (20468721)
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Keywords | 中国古典戯曲 / XML / MediaWiki / 音韻 / 雑劇 / 明清伝奇 / 筆記小説 / データベース |
Research Abstract |
本研究は、後述の4点の研究・開発を通じて、従来から構築を進めてきた中国古典戯曲総合データベースの応用的発展を目指すものである。本年度は研究初年度であるため、上半期に研究集会などを通じて、これまでの成果を総合して問題点を明らかにした上で、研究を遂行するための工程表を作成した。 (1)韻律分析システムの改善・検証 従来の『中原音韻』に基づく音韻処理テーブルに加えて、明清代の戯曲関連韻書に基づく音韻情報表示・分析システムの構築が不可欠であるとの認識が得られたため、『音韻輯要』・『韻學驪珠』を電子テキスト化し、その校訂および音韻テーブルへの加工作業に着手した。また、韻字表示システムについて、改善を要する点を洗い出し、技術的検討を進めた。 (2)戯曲版本比較システム等分析ツールの開発 システム開発の前提となる複数版本を持つ戯曲の電子テキスト化を行った。また、既存の電子テキスト比較方法について、文献資料およびツールの収集を行った。 (3)戯曲全文データの拡充 本年度は、まず元明雑劇として『西廂記』、『元曲選外編』、排印本が未刊行な脈望館抄校本雑劇、『吟風閣雑劇』などを電子テキスト化した。また、明清伝奇『長生殿』・『桃花扇』・『李玉戯曲集』・『蒋士銓戲曲集』など、散齣集『群音類選』、曲律書『太和正音譜』、戯曲目録『曲品』などを選定して電子テキスト化した。下半期において、版本を底本とする雑劇の翻刻作業を開始した。 (4)周辺資料全文データのスキーマ研究と構築 学術研究上の有用性の高い伝記史料的筆記として『列朝詩集小傳』・『静志居詩話文書』を選定し、論理構造を分析してXMLスキーマを開発、電子テキスト化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大震災・研究予算配分の遅延などによって研究の開始がいささか遅れたものの、約500万字規模の戯曲関連文献を選定・電子テキスト化するともに、具体的な研究課題を明確化し研究に着手することで、工程表を作成し研究基盤を確立するという本年度の初期の目的は達成されたものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に確立された研究工程表に則って、申請時の計画通りに、データベース登録データの拡充・システム開発・分析方法の考究などを進めていく。問題点等が生じた場合は、次年度下半期において工程表を見直し、対応するものとする。
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