2011 Fiscal Year Annual Research Report
英語の初期学習者を対象としたリタラシー教育に関する研究ー小中連携の観点からー
Project/Area Number |
23320118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
アレン・玉井 光江 青山学院大学, 文学部, 教授 (50188413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 勝久 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60362745)
太田 洋 駒沢女子大学, 人文学部, 准教授 (30409825)
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Keywords | 小学校英語教育 / 小・中連携 / 初期ソーティング指導 / 初期リーディング理論 / アルファベット知識 / 音韻認識能力 |
Research Abstract |
研究の目的:本研究は日本人初期学習者(小学校高学年および中学1、2年)を対象としたリタラシー習得に関する理論を構築し、その理論に基づいた効果的なリタラシープログラムを開発し、更にそれを公立小学校、中学校で実践することを目的としている。 研究成果:今年は研究初年度として小学生5年生を対象にリタラシープログラムを開発し、実践した。具体的には東京の区立小学校の5年生を対象に年間30回、学級担任と研究代表者がチーム・ティーチングの形態で英語の授業を行った。リタラシー能力を伸ばすためにボトムアップおよびトップダウン的指導を行った。具体的にはこの1年間でアルファベットの大文字と小文字の習得、音韻認識能力の向上、フォニックス指導、ストーリーを使用したリーディング能力の開発を目指した。研究に参加した児童に下記のようなテストを受けてもらい、指導の効果を検証した。参加者や学級担任等の意識などもインタビューやアンケートによって調査を進めた。 (1)アルファベット知識を測定するテスト(小5は大文字のみ) (2)音韻認識能力を測定するテスト(initial sound,rhyme,phoneme blending等) (3)語彙知識を測定する3種類のテスト(スペル、意味、音) (4)リーディング能力を測るテスト (5)英語学習に対する態度や動機、および日本語のコミュニケーション能力に関するアンケート 測定の結果、アルファベット知識、音韻認識能力、語彙認識能力が統計的にみても有意に伸びていた。また、同時に行ったアンケートより、児童はアルファベットの認識には自信があるが、文字と音との関連を学習することに困難を感じていることがわかった。これらのボトムアップ的なスキルに関しては、確実に自動化された能力になるように指導を続ける。またトップダウン的にストーリーを通してoralityを伸ばした児童が、読みを体験する方法が効果的であることが児童へのアンケートでわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画したとおり、公立小学校に実際に入り、研究代表者が長年構築してきた初期学習者を対象としたリタラシー理論に基づき、実践できたのは大きな成果だと思う。これを可能にできたのは現場(公立小学校)の先生方の理解と協力があったからである。また研究分担者も可能な限り現場を見学し、研究を進めた。太田氏は中学校への連携を視野に入れ、中学校の先生方へインタビューを試みた。また本田氏は小学生への動機研究を本格的に始動し、授業で使ういわゆる「振り返りシート」を改良し、児童の学習動機の移り変わりを計測する方法を開発しつつある。さらに、積極的に研究会を開き、これらの研究経過・結果を学生、院生、現職教員と共有した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究が順調に進んでいるので、それぞれを継続、発展させて、研究を続ける。具体的には小学生を対象とした研究は2年目を迎え、6年生となる児童の継続研究と新しく5年生になる児童の新規の研究を始める。動機研究については、初年度に開発した授業用のシートと学期ごとに行うアンケートの整合性を検証する。また、中学校への連携として実施したアンケートの分析を踏まえて、授業見学、また教師へのインタビューなどを行う予定である。
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Research Products
(17 results)