2012 Fiscal Year Annual Research Report
伊勢商人長井家江戸来状群の整理・保存・公開と研究基盤創出に向けての史料学的研究
Project/Area Number |
23320146
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
山田 哲好 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (70220390)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 伊勢商人 / 長井家 / 江戸来状 / 史料群構造 |
Research Abstract |
2年目にあたり、まず連携研究者・研究協力者の全体会議(15名)を6月16日に代表者が所属する国文学研究資料館(立川市)で開催し、本研究の目的と今年度の計画について確認と討議を行った。これに基づいて、整理と目録化のためのマニュアルを作成し、その改訂を進めながら実施した。現地調査は、7月3日~7日(13名)、8月21日~26日(31名)、12月18日~24日(32名)の3回を実施し、研究協力者の参加を得て、江戸来状群の整理と目録化とその構造分析を進めた。目録化は本年度約6,500点で総計1万点を超えるとともに、デジタル撮影は780点、3,060カットで総計860点、3,420カットで、これらの内容と構造分析を進めている。 本研究の対象である江戸来状群は、江戸中期以降約200年間に亘り江戸店から松坂本店に定期的に送付された文書群で、そのほとんどが書状形式であり、その内容は、江戸店の経営に関わる様々な案件に関わって、その処理法の本店指示窺いや支払い・帳簿記載方法についての窺いなど多岐に及ぶ内容であることが確認できた。また経営帳簿では数値だけであるが、その実態を具体的に裏付けられる内容であることも判明できた。また、節季の挨拶状など日常生活に関わっての儀礼的な文書も多いが、伊勢商人としての人的ネットワークの解明にも寄与する内容である。ただし、江戸店からの来状だけでなく、松阪本店で送受した文書も混在していることも明らかとなった。 3月16日には、文書を収蔵する石水博物館で、川喜田・長井両家の典籍の調査・研究成果として「伊勢商人川喜田家代々の文芸活動の研究-石水博物館所蔵文献資料を手がかりに-」と題するシンポジウムが開催されたので、本研究とも密接に関係する内容であるので研究代表者が参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は2年目で、対象の江戸来状群の整理・目録化を最優先し、現地で大勢の研究協力者の参加を得ることができたので、初年度の2倍の7,000点の目録化を達成でき、総数1万点を超えている。内容と構造分析も同時に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
対象の江戸来状群は、そのほとんどが書状形式であるため、整理・目録化の段階で個々の内容情報の採録に時間を要する状態であったが、統一的な内容情報の記述などをマニュアル化したことにより、現在1万点の目録化を終えている。当初計画段階では、総数1万2千点を想定したが、これは確実に達成できるものと確信できるし、デジタル撮影も改善を図って進展しているので、内容と構造分析も一層の進展を図りたい。また、来年度が最終年度であるので当初から、現地でのシンポジウム開催と成果報告書を刊行する予定に変更はない。
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