2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23320170
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上原 真人 京都大学, 文学研究科, 教授 (70132743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 英毅 京都大学, 文学研究科, 助教 (50314167)
吉井 秀夫 京都大学, 文学研究科, 教授 (90252410)
上野 祥史 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90332121)
諫早 直人 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, その他部局等, 研究員 (80599423)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 考古学 / 古墳時代 / 横穴式石室 / 青松塚古墳 |
Research Abstract |
平成24年度においては、平成23年度分の研究成果をもとに、大阪府茨木市青松塚古墳に対する研究を軸として、以下のような研究をおこなった。 第1に、前年度に引き続き、青松塚古墳出土資料の再検討をおこなった。今年度は、上原の指導のもと、諫早を中心として馬具類の整理を、吉井・阪口を中心として土器類の整理を進めた。馬具類については、接合作業および実測作業を進め、その種類と組み合わせについて大まかな見通しを立てることができた。また、土器類については、京都大学に保管している分について、実測作業と、出土状況との対照作業を進めた。 第2に、上原の指導の下、吉井・阪口を中心として、青松塚古墳の現地調査を進めた。平成24年度は、平成23年度予算(繰越分)を用いて、青松塚古墳の石室・墳丘の現況を測量調査した。そして、平成24年度の経費を用いて図面の合成・トレースなどをおこない成果の整理作業を進めた。その結果、石室は、発掘当時から50cm~1m近く埋没していることや、墳丘がほとんど削平された可能性が高いことが明らかになった。こうした成果をもとに、平成25年度に発掘調査をおこなうための準備を進めた。 第3に、各分担者により、三島地域と周辺地域との関係の考古学的検討を進めた。具体的には、吉井は墓制、阪口は武器・武具を中心とする鉄器、上野は青銅鏡、諫早は馬具を主たる研究対象として選び、日本列島内の他地域のみならず、中国・朝鮮をはじめとする東アジアの諸地域との比較検討を進め、その成果の一端を論文・講演などにより公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究申請段階においては、平成24年度に測量調査、およびその成果に基づく発掘調査をおこなうことを想定していた。しかし、青松塚古墳を管理している北大阪けいさつ病院側が、病院内部の諸事情から、敷地内での測量調査・発掘調査をおこなうことに慎重な態度を示された。そのため、まず平成24年度に測量調査をおこない、その成果をもとにさらに発掘調査計画を立て、茨木市教育委員会担当者の指導下、さらに折衝をすすめたが、結局、平成25年度に発掘調査を行わざるをえなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に実施することができなかった青松塚古墳の発掘調査は、平成25年度におこなうことができるよう、病院との間で基本的な合意を得ている。そのため、発掘調査は平成25年度夏に実施することとする。その時の調査成果は、発掘調査と同時並行して整理を進め、平成25年度中に成果をまとめることができるように努力する。また、遺物整理のうち、京都大学保存分については順調に進んでおり、茨木市教育委員会保管分の調査を進めて、研究の遅れを挽回したい。
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Research Products
(9 results)