Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 僚太郎 筑波大学, 人文社会科学研究科, 教授 (70202215)
河野 敬一 常磐大学, 人間科学部, 教授 (70211894)
河原 典史 立命館大学, 文学部, 教授 (60278489)
三木 理史 奈良大学, 文学部, 准教授 (60239209)
川崎 俊郎 福島工業高等専門学校, 一般教育部, 准教授 (80290708)
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Research Abstract |
本研究の目的は,(1)明治以降の近代化に伴う中央集権的国民国家の国土空間形成(拡大・再編)過程で重要な役割を果たした地方拠点都市に注目して,複数事例都市の成長実態・要因を解明すること,(2)諸都市の立地・発展・変化を規定する時空間的構造を見出し,その下での諸都市の成長過程を理論的に説明して,近代地域システムの中での各都市の機能的役割や関係を跡付けること,さらに(3)各地で都市成長を牽引するキーパーソン=主導的人間主体に注目し,その時空間的活動の実践を跡付けて,国土空間内部における各地域や地域間関係の形成変容過程に関する新たな説明を試みることである。 本年度はまず研究代表者・分担者が一同に集合して,上記の研究目的,研究の進め方や視角・方法,分担関係,各対象地域の位置づけ等について,研究組織全員で議論し確認するために,2011年7月24日に大阪市で第1回研究打合せ集会を行なった。この打合せ会議は当初より早い時期に開催される予定であったが,東日本大震災の影響と6月に本課題とも関連する歴史地理学会大会シンポジウム「近代の歴史地理・再考」が開催されたため,7月下旬の開催となった。 この後,研究代表者・分担者は各々各調査地域で資料調査,観察・聞き取り調査等に従事した。一例を挙げると,研究代表者の山根は8月から翌年2月にかけて敦賀,広島,長崎の各都市で資料収集や博物館学芸員への聞き取りなどを行った。他の研究分担者も海外地域を含む各々の対象地域で調査を行い,各々の調査結果を持ち寄り,第2回の研究打合せ集会を2012年1月22日に東京で開催した。研究組織の全員が出席し,今年度の各都市・地域での調査結果を報告しあい,来年度以降の研究について協議した。来年度に向けて課題となったのは近代日本の都市システムについての共通認識を高めることであり,本年度も検討してゆく。また,成果の一部は年度末の学会発表で報告された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究組織の中には,昨年3月の東日本大震災で被災した地域の大学に勤務する研究分担者が複数含まれており,そのせいもあって全体的な研究計画が遅れを生ずるのではないかと,当初は懸念された。実際に被災地域在住者は施設や備品の損壊や授業期間の延長等,通常年度とは異なるタイムスケジュールに苦労したと聞く。しかし,2012年1月22日に全体の打合せ会で確認した限りでは,予定された調査を各自が実施して,資料等の収集も進んでおり,全体的に年度当初の遅れを何とか取り戻した形になっている。
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