2012 Fiscal Year Annual Research Report
特定行政領域における公私協働に焦点を当てた国家と市民社会の役割分担と規範論の検討
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23330010
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
人見 剛 立教大学, 法務研究科, 教授 (30189790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙野 健二 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10126849)
荒木 修 関西大学, 法学部, 准教授 (10433509)
野呂 充 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (50263661)
稲葉 一将 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (50334991)
高橋 明男 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60206787)
磯村 篤範 島根大学, 法務研究科, 教授 (70192490)
角松 生史 神戸大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90242049)
梶 哲教 大阪学院大学, 法学部, 准教授 (90247867)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 公私協働 / 行政法 |
Research Abstract |
平成24年度は、まずアジア諸国との共同研究も推進していくという見地から、公私協働に関する日本・台湾・韓国の国際シンポジウムを平成24年6月8日に韓国ソウル外国語大学法学科において開催した。そこでは日台韓のそれぞれの公私協働(PPP)について報告がなされたが、日本の報告を研究代表者である人見剛が担当した。討論においては、各国の学会の関心事の共通性と異質性が強く意識されることになった。また、分担研究者の磯村篤範と荒木修は、シンポジウム前日の韓国公法土地法学会にも参加し、都市開発における公私協働・民営化の法制度下での工事費用等の高額化が検討された。 同年7月1日には、大阪で立命館大学名誉教授の田村悦一氏をお招きした共同研究会において、国際行政法の視点から「『国際社会と公法の統合』の今日を考える」というテーマで報告を受け、グローバル化の中で進む公私協働現象について意見交換を行った。 同年9月8・9日には、広島県で合宿研究会をもち、紙野健二「協働論と新しい公共」、人見剛「ドイツにおける市町村の経済活動と補完性原理」の報告の他、ゲスト報告として、山下唯史「過大評価で推進されるPFI事業」と尾林芳匡「新自治体民営化と公共サービスの質」が行われ、日本各地の公私協働事業に対する実態報告と評価をめぐって活発な質疑を行うことができた。 翌平成25年2月には、大阪で個別公私協働現象に関する報告として、荒木修「市町村営水道における民間委託等」と稲葉一将「若者の支援と協働ー法律学的側面の検討」の報告をもとに当該の法領域の公私協働の法的分析のあり方について意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
個別行政領域における公私協働の研究については、水道行政、若者支援(ニート、引きこもり対策など)、まちづくり行政、自治体公共施設に係る指定管理者などの研究に一定の進展がみられた。しかし、その他の分野(予定の課題の中では、例えば、警察行政、自治基本条例など)については、まだまとまった中間報告ができるところに至っていない。研究期間最終年度となる平成25年度に、大いに研究を促進する必要がある。 公私協働に係る一般理論については、協働主体論、NPO論、補完性原則論などについて共同研究会で俎上に上げられるところまで来たのは一定の進捗として評価できると考えている。これらのテーマについては、平成25年度にまとめをして公表につなげていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
各分担研究者の担当している行政領域別の公私協働の研究課題については、代表者を中心に進行管理に努め、研究の進んでいる領域については、研究の発表につなげて行く。進捗の遅れている行政分野の研究については、本研究課題の最終年度となる平成25年度1年間の間には、研究成果の発表の見通しが立つように研究者間の支援を強めていきたい。特に、平成25年秋に予定している学際シンポを機会に、他の学問分野からの知見を動員して研究の進展を図る。 公私協働の一般理論の検討については、平成24年度を通して一定の進展をみたと考えているが、やや混迷の兆しもうかがわれるので、先の学際シンポとドイツから招聘する専門家との意見交換を通じてブレイクスルーを目指していきたい。
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Research Products
(9 results)