2011 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト・デモクラシー状況下のウェストミンスター・モデル憲法の理論的・実証的研究
Project/Area Number |
23330012
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
松井 幸夫 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (30135892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 健一 関西学院大学, 法学部, 教授 (30304471)
小松 浩 立命館大学, 法学部, 教授 (40234877)
元山 健 龍谷大学, 法学部, 教授 (80116285)
岩切 大地 立正大学, 法学部, 専任講師 (00553091)
江島 晶子 明治大学, 法科大学院, 教授 (40248985)
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Keywords | 公法学 / 憲法 / 憲法改革 / デモクラシー / ウェストミンスター・モデル |
Research Abstract |
本科研初年度の研究計画は、本科研の研究課題の達成に向けて、研究分担者および連携研究者それぞれの研究担当課題について研究を開始するとともに、現時点での研究の達成状況を研究会を通して発表、交流し、その成果を共有することにあった。 そのために、春期学会に合わせて5月13日に研究分担者の報告による研究会をもち(関西学院大学東京丸の内キャンパス)、8月31日から9月2日にかけては、松本市において、合宿研究会を開催した。この合宿研究会では、研究分担者・連携研究者のほか、若手の研究協力者からも最近のイギリス憲法の各分野の最新の動向等を中心に計9件の報告とそれに基づく議論を行った。また、その場では、各分担者の研究の進捗状況と、本科研共同研究の今後の進め方についての議論と意思統一を行った。また、若手研究分担者・研究協力者を含むのべ8人によるイギリスおよびニュージーランドへの実地調査を行った。 これらを通して、本科研初年度においては、研究課題であるウェストミンスター・モデルの変動について、イギリスを中心とした最近の憲法動向(2010年総選挙による政権交代後の選挙制度改革レファレンダム(2011年5月)を中心とした統治制度改革、人権法を中心とした人権保障制度のほか、地方議会、移民、平等、表現の自由等の個別分野での動向)を把握し、また、イギリス・モデルを出発点としながらも変容を進めているオーストラリアとニュージーランドの動向(人権保障、成典憲法かなど)についての情報の収集と分析を行い、ウェストミンスター・モデルというイギリスを中心とした憲法モデル(また、それは、日本の政治改革にも大きな影響を与えている)の変容についての重要な論点についての出発点となる研究成果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者の役割分担についてはそれぞれが研究に着手し、個々的には遅れもみられるものの、すでにそのいくつかについては上記研究会で報告がなされ、また、下記の研究成果にも示されている。研究課題全体についても、合宿研究会等においてその意義等について意見交流し、今後の展開の基礎を築くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度については、ロンドン大学キングス・カレッジKeith Ewing教授を招聘して、4月末に本科研の研究課題にかかわるシンポジウムを開催する予定である。このシンポジウムでは、3人の研究分担者も報告を行い、そこでの成果を踏まえて課題達成のために各研究を推進する。 また、夏の合宿研究会と秋の全国学会に合わせた研究会において、研究分担者、連携研究者等によるの個別報告と議論によって、研究の進捗状況の確認と成果の共有化を図り、研究を推進したい。 これら作業を通して、最終年度に向けての研究成果の集約と公表の準備も進めていく。
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Research Products
(7 results)