2012 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト・デモクラシー状況下のウェストミンスター・モデル憲法の理論的・実証的研究
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23330012
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
松井 幸夫 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (30135892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 健一 関西学院大学, 法学部, 教授 (30304471)
小松 浩 立命館大学, 法学部, 教授 (40234877)
元山 健 龍谷大学, 法学部, 教授 (80116285)
岩切 大地 立正大学, 法学部, 准教授 (00553091)
江島 晶子 明治大学, 法務研究科, 教授 (40248985)
大田 肇 津山工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (30203798)
倉持 孝司 南山大学, 法務研究科, 教授 (00153370)
佐藤 潤一 大阪産業大学, 教養部, 准教授 (40411425)
成澤 孝人 信州大学, 法曹法務研究科, 教授 (40390075)
松原 幸恵 山口大学, 教育学部, 准教授 (80379916)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 公法学 / 憲法 / デモクラシー / ウェストミンスター・モデル / 憲法改革 |
Research Abstract |
初年度の成果を踏まえて研究組織メンバーの研究を前進させ、共同研究としての研究課題達成のための研究を着実に進展させることができた。 まず、ロンドン大学・キングスカレッジのキース・ユーイング教授を招いて、4月21日に龍谷大学深草キャンパスで研究セミナーを開催した(使用言語は英語)。同セミナーでは、ユーイング教授の報告(同報告の邦訳は『法と政治』63巻4号に掲載)と、これに対する日本側の報告4本(元山、柳井、江島-以上研究分担者、愛敬-連携研究者)に基づいて議論を行った。司会は松井が担当。セミナーには本科研研究組織外のイギリス憲法研究者およびイギリス行政法研究会のメンバーも参加した。 このセミナーによってイギリス憲法学の理論状況と共に、私たちの問題・課題意識および成果とイギリス憲法学との接点・異同等について大きな収穫を得、次年度ロンドン大学での日英の憲法学者による共同シンポジウム開催の足がかりを築くことができた。 また、春期学会に合わせて研究会をもち(5月11日龍谷大学深草キャンパス、報告者:松原-研究分担者)8月28日から30日にかけて、岡山県津山市で合宿研究会を開催し(報告者:元山、柳井、小松、佐藤-研究分担者、愛敬-連携研究者)、秋期学会時には外部報告者による研究会(10月5日明治大学)をもって、最近のイギリスの憲法状況を議論した。同時に、これらの場では、本研究課題に関する情報に交換と、今後の共同研究の進め方や課題を話し合った。 さらに、のべ5人によるイギリスおよびニュージーランドへの実地調査を行い、当地でのインタビュー・意見交換を行うと共に、在外研究中の松井を交えてイギリスでの日英合同シンポジウム等今後の研究方向についての打ち合わせを行った。 これらを通して、イギリス憲法および憲法理論を中心にウェストミンスター・モデル憲法についての研究を大きく進展させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究成果では、ロンドン大学のK.ユーイング教授を招いて行った研究セミナーであり、とりわけ同教授の報告と議論によって、本科研の研究課題であるウェストミンスター・モデル憲法の近年における変動と理解について、イギリス憲法学と同教授の考え方を知り、議論でき、さらに本研究組織の共通認識とできたことは大きな成果であった。 また、研究分担者の分担課題については、それぞれが研究をすすめ、すでにそのいくつかについては上記研究会で報告がなされ、また、下記の研究成果にも示されている。また、共同研究としての研究課題全体についても、合宿研究会等においてその意義等について意見交流し、最終年度の研究に反映させ、さらにその成果を交換する目的に向かって前進することができた。 このように本科研研究は着実に前進しているが、個々の研究分担者についてはその進捗が他と比べて遅れているものが何人か見られる。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研研究の最終年度にあたる次年度は、前年度までの成果を踏まえて、本科研の研究分担者および連携研究者の分担課題についての研究をさらに進展させるとともに、それらを総合して共同研究としての本科研の研究課題の成果をまとめ、それを公刊する計画に向けて、以下のような活動を実施する予定である。 1.まず、9月中旬にロンドン大学において、ウェストミンスター・モデルの変動・現状・課題を中心とした日英の憲法状況について、日英の憲法学者によるシンポジウムを開催する予定である。現時点での計画では、開催日は9月12・13日、報告者はイギリスから5人、日本から5人(全員本科研研究組織のメンバーを予定している)である。旅費等の経費については、本科研の予算の範囲内で日本側が負担し、その余はイギリス側が負担する予定である。 2.8月末に、前々年度、前年度に引き続いて夏期合宿研究会を行う予定である。各研究分担者の分担研究課題の研究成果を報告・議論すると共に、その成果の共有化をはかる。また、各メンバーの分担課題の研究の進捗状況を確認すると共に、共同研究としての本科研研究全体の進捗状況を確認し、今後の課題や成果の集約と公表の方法等を検討する。加えて、本科研の研究組織メンバー以外の研究者にも参加を求める予定である。 3.5月(新潟)と10月(関西)の全国学会に合わせて共同研究会をもち、研究分担者および連携研究者からのいくつかの個別報告を行い議論する。また、各メンバーの研究の進捗状況についての確認と、その後の研究計画について意見交換を行う。 4.これら共同の研究活動と共に、各研究分担者、連携研究者の分担研究課題についての研究の進展をはかる。 これらを通して研究のいっそうの進展をはかると共にその成果の集約を進め、さらにその成果を公刊する準備を進めていく。
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Research Products
(25 results)