2012 Fiscal Year Annual Research Report
社会保障法政策における金銭給付の意義・機能・限界-現物給付との対比による考察-
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23330017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩村 正彦 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60125995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 暁代 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 講師 (30507801)
太田 匡彦 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80251437)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 社会保障法 / 公的年金 / 金銭給付 / 現物給付 / 公的扶助 / 公的医療保険 |
Research Abstract |
1.本研究は、わが国の社会保障制度の様々な角度からの見直し・改革の中で、金銭給付と現物給付との選択が論じられたり、金銭給付から現物給付への切り替えやその逆方向の指向する動きが見られることに着目し、社会保障制度において金銭給付と現物給付とがどのように位置づけられ、政策的選択が行われているかについて、比較法的な考察を通して分析を試み、今後の社会保障制度の給付の法的制度設計や法的規制の方向性を考察しようとするものである。 2.上記研究の目的の達成のために、3年度計画の本研究の2年度目にあたる平成24年度においては、 以下のように研究作業を行った。 ①比較法研究の柱となる主要先進諸国および南米主要国の社会保障の主要制度(公的年金法制、公的医療保険・サービス法制、公的扶助法制)および関連する法領域(行政法・労働法等)についての文献・資料の収集、およびわが国の社会保障制度と関連する法領域に関する文献・資料の収集、社会保障の給付に関するわが国政府の政策文書や文献の収集を前年度に引き続き行うとともに、主要な文献等について、そのデジタルデータ化の作業を進めた。 ②研究代表者および研究分担者(太田、島村)が学会(国際学会を含む)・研究会に出席する等して、最近の研究動向の把握に努めるとともに、研究成果の一部の報告等を行った。また、関係する研究者との研究打ち合わせ等も実施した。 ③今年度の研究の成果の一部として研究代表者が論文を公表し(後掲)、また研究分担者(島村)がブラジル・チリの高齢者の所得保障制度(公的年金、公的扶助等)について執筆した論文の公表に向けての作業を行った。後者については、来年度から雑誌(法学協会雑誌)に公表することとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)研究計画の2年度ということで、研究に必要な文献・資料等の収集が初年度と同様1つの眼目であったが、おおむね予定通りの進み具合である。また、海外を含む学会・研究会への出席や研究打ち合わせについても、おおむね年度当初に考えた計画通り行うことができた。研究分担者(島村)が論文公表の作業を進捗させたことも考え合わせると、本研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度については、平成23年度及び平成24年度のおおむね順調な研究の進展をベースに、当初研究計画に沿った研究の進捗に努める方針である。平成24年度の終了時点では、研究計画の変更はとくに考えておらず、研究遂行上の問題点もとくにない。
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Research Products
(1 results)