2012 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア高度経済成長の歴史的起源ー連続・断絶論から東アジア経済圏論へ
Project/Area Number |
23330113
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀 和生 京都大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (60219201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湊 照宏 大阪産業大学, 経済学部, 准教授 (00582917)
福岡 正章 同志社大学, 経済学部, 准教授 (90388041)
堀内 義隆 三重大学, 人文学部, 准教授 (90550492)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 東アジア / 高度経済成長 / 東アジアの奇跡 / 工業化 / 植民地 |
Research Abstract |
共同研究の2年目である平成24年度は、交付申請書の「研究実施計画」に記載した通り、資料調査収集活動、3国比較を念頭においた分野別の研究会の開催、中間的な成果の学界への発表を柱として研究を行った。以下、順に概要を述べる。 資料調査については、各メンバーが研究対象地域、日本、韓国、台湾で短期間の資料調査を繰り返し行った。 国際共同研究会は下記の通り3回開催された。(1)米国の戦後構想・政策と東アジアに関する研究会(2012年6月16日、京都大学):共同研究の海外メンバーである林采成が米国の東アジア経済政策、趙祐志が米国の対台湾経済政策に関して報告した。(2)全体研究会(2012年8月22~23日、京都大学):研究プロジェクトの3国のメンバーが集合し、それぞれの研究について報告し、各々の研究分担について議論した。(3)企業成長の3国比較に関する研究会:(2013年3月2日、京都大学):朴二澤(高麗大学校 韓国より招聘)が20世紀前半日本、朝鮮、台湾の企業成長について報告した。 中間成果の学界への発表については、2012年8月24日に社会経済史学会近畿部会の夏季セミナー(大阪市立大学文化交流センター)において、シンポジウム形式で本研究の中間報告を行った。内容は下記の通りである。全体テーマ:「東アジアにおける復興から高度成長―日本、韓国、台湾の経済的変容―」。②発表者と内容:堀和生「戦後東アジアにおける高度成長」、林采成「米国の戦後東アジア経済政策」、福岡正章「韓国・台湾の繊維産業」、堀内義隆「台湾・韓国の機械産業」、裴錫満「韓国・台湾の造船産業」。③武田晴人(東京大学)、李榮薫(ソウル大学)、黄紹恆(交通大学)という3国の学界を代表する経済史研究者からコメントを受けた他、フロアの参加者からの質問も含めて、その後の本研究の展開に関わる貴重な意見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由)共同研究2年目において柱とした3つの活動はおおむね順調に達成されたと評価できる。資料調査収集活動に関しては、初年度に行った米国における資料調査を本年度は行うことができなかったが、各メンバーによる日本、韓国、台湾における資料調査は活発に行われた。また、3度の国際共同研究会が開催され、中間成果の学界への発表も行い、活発な討論がなされたことからみて、順調な成果があげられたと評価できる。各メンバーの研究成果は、個別の論文として随時公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、引き続き、米国ならびに研究対象国における資料調査収集を行う。 第二に、研究会に関しては、3国比較を念頭においた分野別の国際共同研究会を複数回、日本で開催する。また、8月には、京都において全メンバーが参加する研究会を開催し、本研究の内容を深める。 第三に、8月には、京都において現代日本経済史研究会との合同セミナーを開催し、学界の多様な意見を聞くことによって、本研究の充実をはかる。 後半には、全員が研究成果の報告論文を執筆して、相互回覧交換したうえで、論文集を編集する予定である。
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