2012 Fiscal Year Annual Research Report
戦後労働史におけるオーラルヒストリー・アーカイブ化の基礎的研究
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23330115
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
梅崎 修 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (90366831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 宏之 高知短期大学, 社会科学科II部, 准教授 (00508723)
田口 和雄 高千穂大学, 経営学部, 教授 (70407659)
島西 智輝 香川大学, 経済学部, 准教授 (70434206)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オーラルヒストリー / 労働史 / アーカイブ |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の4点にまとめられる。 第一に、近江絹糸人権争議、機械産業労働史、鉄鋼労働史、電機産業労働史の分野でオーラルヒストリーを実施した。なかでも近江絹糸人権争議と電器産業労働史に関しては、オーラルヒストリーの報告書を刊行した。近江絹糸人権争議に関しては、オーラルヒストリーの実施に伴い、人権争議の文書資料も確認されたので、この文書資料の目録を作成した。現在、個々の文書資料とオーラルヒストリーを読み込む作業を続けている。 第二に、海外(コロンビア大学とニューヨーク大学)のオーラルヒストリーセンターを訪問し、オーラルヒストリーアーカイブの保存や整理の状況を調査した。調査結果は、それぞれの調査報告としてまとめた。また、梅崎修と青木宏之が2011年度に社会政策学会で報告したオーラルヒストリーの方法論に関する研究が、本年度には社会政策学会の学会誌に掲載された。さらに、労働史・史料に関する研究会を開催し、特に国際労働政治に関する研究動向を共同研究者間で共有した。 第三に、これまで実施してきたオーラルヒストリーの映像を、昨年完成した労働史・オーラルヒストリーのページに試験的にアップし、その資料を見る際の操作性など確認した。現在は、一般公開はされていないが、映像を見る試験確認と語り手の許可を得た時点で一般公開を実施する予定である。 第四に、戦後労働史の研究論文を作成し、労働研究の雑誌で公開した。とくに生産性運動の論文を作成することで、戦後労働史の展望を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
労働史オーラルヒストリーの実施は順調に進んでいる。また、海外のアーカイブの調査をしながらのアーカイブの作成は順調に進んでいる。 アーカイブの一般公開に関しては、著作権などの問題もあって慎重に進めているが、部内限定で試験的に公開を進めており、公開準備は整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度に労働史アーカイブの一般公開を開始する予定である。公開できる映像コンテンツを増やしていることが今後の目標になる。また、映像による保存と文書による保存の違いなどを検討し、今後のアーカイブの利用に関して試行錯誤を続けたい。海外調査では、とくに映像の利用に焦点を絞って調査を続ける予定である。 さらに最終年度に向けて、オーラルの方法論研究会と、これまで実施したオーラルヒストリーの分析研究会を続けていく予定である。
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Research Products
(10 results)