2012 Fiscal Year Annual Research Report
非営利組織の存続価値と存続能力に関する会計学的研究
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23330147
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
向山 敦夫 大阪市立大学, 経営学研究科, 教授 (50200241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗岡 徹 関西大学, 会計専門職大学院, 教授 (10411505)
柴 健次 関西大学, 会計専門職大学院, 教授 (40154231)
田村 香月子 関西大学, 商学部, 准教授 (40411491)
森 美智代 熊本県立大学, 総合管理学部, 教授 (50220025)
佐藤 倫正 愛知学院大学, 商学部, 教授 (60114948)
小西 範幸 青山学院大学, 会計プロフェッション研究科, 教授 (80205434)
大西 靖 関西大学, 会計専門職大学院, 准教授 (80412120)
宮本 順二朗 帝塚山大学, 経営情報学部, 教授 (90121053)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 非営利法人 / 存続価値 / 存続能力 / 医療法人 / 社会福祉法人 / 会計基準 |
Research Abstract |
本年度は3年間の研究期間・研究計画の展開段階と位置づけ、各チームでの研究の進展を目指した。 非営利組織の実態・事業分析をおこなうチームは、チームの研究に必要な資料・データを整備し、医療法人へのインタビュー、ドイツ・スペインでの研究調査、社会福祉法人関係者へのインタビュー、大阪府下の社会福祉法人へのアンケート調査及び公文書請求による財務諸表の収集、そのデータベース化などをおこなった。その成果の一部は、本年度に論文の形で公表されている。 全員での問題意識の共有と各研究成果の統合のために、日本経営分析学会第29回年次大会において、向山・柴が前年度のインタビュー調査の成果を「瀬戸内市及び高松市所在非営利組織の訪問調査」と題して共同報告をおこなうとともに、向山と森は同大会において、「CSRの戦略的位置づけと経営分析」、「病院経営分析の課題-ドイツ・コンツェルン医療機関の経営分析を中心として-」というテーマで統一論題のパネラーとして研究成果を発表した。そこでの質疑応答・討論を通じて、4つのチーム間での問題意識と問題点がより明確になった。 また、非営利組織の会計構造と財務諸表の研究をおこなうチームは、キャッシュ・フローの視点から理論的研究をおこなっている。2012年9月13日と2013年3月2日に研究会をおこない、各チームの成果を報告し、意見交換をおこなったが、キャッシュ・フローの視点は「存続価値」と「存続能力」を概念的に整理する際に重要な論点になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は問題意識の共有化のため、全メンバーで地方自治体・医療法人・社会福祉法人へのインタビューをおこなったが、今年度は各チームでのテーマ研究の進展に委ねた。 医療法人へのインタビュー、海外での研究調査、社会福祉法人関係者へのインタビュー、アンケート調査、財務諸表の収集などをおこない、その成果については研究報告や論文の形で公表しており、進展状況は順調と言える。 ただし、4つのチーム間で進展に若干の差ができていることが、来年度に向けた課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度も引き続き、4つのチームごとにテーマ研究を進める。会計構造と財務諸表の分析・研究をおこなうチームは理論的な精緻化を目指すが、他の3チームはこれまで収集した資料・データの分析をおこなう。 とくに、医療機関については、日本とドイツでのインタビューをおこない、外部資金調達と格付け、医療経営、情報開示について日本とドイツの比較が可能となる。また、社会福祉法人については、アンケート調査結果の分析と、データ化した財務諸表の経営分析をおこなう。さらに、全体を貫く概念である「存続価値」と「存続能力」についての概念整理をおこなうチームを設定する。
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Research Products
(18 results)