2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23330156
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
毛利 嘉孝 東京芸術大学, 音楽学部, 准教授 (70304821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 守 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30232474)
田嶋 淳子 法政大学, 社会学部, 教授 (20255152)
林 香里 東京大学, 情報学環, 教授 (40292784)
清水 知子 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 講師 (00334847)
イシ アンジェロ 武蔵大学, 社会学部, 教授 (20386353)
塩原 良和 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (80411693)
岩渕 功一 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (10327728)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 社会学 / 文化的市民権 / メディア / 在日外国人 / 公共性 / 多文化主義 |
Research Abstract |
グローバル化によって急速に進む多文化社会において、どのようなメディアの「公共性」が可能なのか。デジタル化の時代、多種多様な人々の「文化的市民権」をどのように構想できるのか。本研究は、既存の「公共性」や「市民権」の議論を踏襲し近年の国内外の議論や政策を参照しながら、新しいアイデンティティと「公共性」、「文化的市民権」の関係を明らかにしようというものである。 研究2年目の平成24年度は(1)これまでの議論の整理(2)多文化社会における文化表現と文化的市民権の調査研究(3)在外日系人の調査(4)東日本震災時の在日外国人のメディア文化環境の調査の4点を大きな方針として活動を行った。 (1)(2)については、隔月のペースで会議または研究会を開催した。特に今年度は音楽や映画など具体的な表現活動に注目し、多文化社会における文化的市民権のあり方を検討した。(3)に関しては戦後の日本人のオーストラリア移住の記録と資料の収集と整理を行った。(4)については、10月に仙台市と石巻市で開催された公開シンポジウムを開催し、東日本大震災の時の在日外国人に対する行政のサポートや彼らのメディアのアクセスに関する調査を行った。この成果は、現在編集中の報告書『多文化主義と文化的市民権(仮題)』(多文化メディア市民研究会発行全72頁)で読むことができる。またその一部は、国際学会Association for Cultural Studies(Paris)やAssociation for sian Studies (US San Diego)で報告された。 また昨年度に引き続き、研究組織「多文化メディア市民研究会(MCMC=Media & Citizen-ship in Multi-Cultural Society)」を運営し、HPを通じて情報発信を行った(http://mcmc.main.jp/)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度、研究分担者の一人岩渕功一が急遽オーストラリアのモナッシュ大学へ異動し、分担者を辞退する事になったが、塩原良和を中心にオーストラリアの調査を埋め合わせをすることができた。特に東日本震災において大きく変化した日本の多文化主義と在日外国人のメディアのアクセスについて、数回に渡って集中的に調査研究を行う事ができたので、すでに十分興味深い結果が得られつつある。昨年度の報告書に続き、二冊目の報告書の現在編集作業がほぼ終了しており、その成果の一部を着実に発信し始めている。変化の早いデジタルメディアへの対応を含めて、国内外の研究と比較しても先端を切り開く研究をしていると自負しており、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
完成年度の今年の推進方策は、次の5点である。 (1)これまでの議論の整理:多文化社会におけるメディアの「公共性」と「文化的市民権」の議論、特に欧米の状況と理論的な発展を中心に検討し、整理する。(2 )多文化社会の聞き取りと研究会の開催:日本の政府や自治体の政策やNPOなどの市民活動、そして在日外国人の現状の聞き取りを行う。関連する領域の研究者や実践者と招いた定期的な研究会を組織し、議論することを通じて現状を把握する。(3)海外に住む日本人に対する聞き取り:在外日本人のメディア状況についての聞き取り調査を引き続き行う。(4)多文化主義、レイシズムの現状の考察:特に政治的に緊迫する東アジア情勢を踏まえて、国内外、そしてその横断領域における「公共性」や「文化的市民権」を考察する。(5)研究成果の発表:3年間の研究成果を国内外の学会やシンポジウム、学会誌等で発表する。 研究計画スケジュールは、次の四期に大きく分けられる。 4月~6月の【確認期】では、本研究の研究目的、手法の確認と過去2年間の反省を行い、引き続き定期研究会を開催する。ホーム ページ(http ://mcmc.main.jp/)をと、現在編集中の中間報告書「多文化社会と文化的市民権(仮題)」をもとに研究の広報活動を行う。 7月~9月の【調査期】には、夏期休暇期を利用して、国内と国外( イギリス、オーストラリア、中国、韓国 )フィールドワークを各自実施する。10月~12月の【研究期】は東アジアの政治状況を踏まえた上で国内外の多文化主義やレイシズムの変化に対する聞き取り調査を行いたい。特に 、沖縄を内なる多文化の場として捉え直し、ワークショップ/シンポジウムを開催する。 平成25年1月~3月は【 総括期】として、総括のシンポジウムを開催し、研究成果の集約と報告を行い、提言を行う。
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Research Products
(26 results)
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[Presentation] Social Media in Japan
Author(s)
Yoshitaka Mori
Organizer
Creative Industry in East and South East Asia
Place of Presentation
Birkbeck College, University of London, UK
Invited
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