2012 Fiscal Year Annual Research Report
ハンセン病研究の新視角―〈隔離〉の知から〈つながり〉の知へ
Project/Area Number |
23330163
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
蘭 由岐子 追手門学院大学, 社会学部, 教授 (50268827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 和花 大阪大学, 適塾記念センター, 准教授 (10513096)
井上 清美 神戸常盤大学, 保健科学部, 准教授 (20511934)
山田 富秋 松山大学, 人文学部, 教授 (30166722)
坂田 勝彦 東日本国際大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60582012)
中村 文哉 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (90305798)
石居 人也 一橋大学, 社会(科)学研究科, 准教授 (20635776)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ハンセン病 / 歴史 / 生 / ハンセン病博物館 / ハンセン病資料館 |
Research Abstract |
本年度は、恒例の夏と春の研究会に加えて、12月に、学会参加のために来日していたノルウェーとオーストラリアのハンセン病問題研究者を関西に招き、国際研究会を開催した。ノルウェーのハンセン病博物館の取り組みに関する報告とインドの‘未感染児童’をめぐる英国ミッショナリーのまなざしについての報告であった。日本の今後の歴史実践と研究視点に資する論点を獲得できた。 8月と3月の研究会では、あらたな研究協力者に加えて、ゲストも招待し、まさに現在療養所がおこないつつある歴史実践とその課題、および、歴史的事実と病者たちの〈生〉の具体像について考察することができた。各テーマは、以下の通りである。(1)療養所および「社会」での病者の医療ケアをめぐる困難、(2)総力戦下におけるハンセン病療養所の事例研究、(3)駿河療養所の文芸誌『山椒』の総目次等の整理と内容の考察、(4)ハンセン病と日本近代文学、(5)ハンセン病関係資料の保存公開と長島愛生園歴史館の現状と課題、(6)大島青松園の歴史資料について、(7)沖縄の復帰とハンセン病者の退所・在宅治療制度。 研究会は、社会学、歴史学、文学の研究者と現場の実践者との交流の場となり、その結果、参加者全員でハンセン病問題に関する複層的・複合的な視点を共有することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度計画していた療養所勤務経験のある保健師や看護師に対するアプローチができていないこと、A療養所の資料調査が進展していないことが全体の進捗を遅らせている理由であるが、個々のメンバーの研究は進み、また、海外からもゲストを招いて研究集会を開催できたことは、それを補ってあまりあることだと思われる。この状況には、メンバー個々の勤務状況などが影響していることは確かである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究にできるかぎりの多くの時間をさいてもらえるよう研究会メンバーに呼びかけたい。また、今年度と同様に、地域的に近いひとたちが、なかばインフォーマルなかたちで研究打合せを重ねることで、区々に研究テーマの掘り下げをおこなっていけるようにしたい。
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Research Products
(16 results)