2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本は移民国家か?日本とオーストラリアにおける移住者の市民意識と帰属感の比較研究
Project/Area Number |
23330169
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
FARRER GRACIA 早稲田大学, 大学院・アジア太平洋研究科, 准教授 (70436062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 淳子 法政大学, 人文・社会学部, 教授 (20255152)
川上 郁雄 早稲田大学, 大学院・日本語教育研究科, 教授 (30250864)
ISHI Angelo 武蔵大学, 人文・社会学部, 准教授 (20386353)
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Keywords | 市民意識 / 帰属感 / 中国系移民 / 在外ブラジル人 / エスニック・メディア / ベトナム系住民 / 移動する子ども |
Research Abstract |
本研究の目的は、オストラリアにおける移住者を取り上げること、また、移住者の一世と二世の両方を考査することにより、日本が移民受け入れ社会として、典型的な国際移住の軌道上にあるのか否か、今後どのような社会になるのかについて新しい知見を得ることも目的である。研究対象は中国、韓国、フィリピン、ブラジルからの移住者と東南アジア(特にベトナム)からの難民に焦点を当てる。主な研究手段は聞き取り調査とフォーカスグループである。2011年11月中旬に追加採択されたため、12月から研究が実際に始まった。初年度においては、計画にしたがい、以下の研究活動を行った。 1.中国人コミュニテイーについて、ファーラー代表者が6名のRAと共に日本国内で50人以上の個人インタービュ、3つのフォーカスグループ(12名ずつ)を実施した。オストラリアにおける中国人について、3月5日~3月13日まで田嶋分担者と研究アンスタント2名でオーストラリア・シドニーおよびメルボルンを訪問し、中国系移民のエスニック・メディア、ボランタリー組織、中文学校等でのインタビューを実施し、概要を把握した。 2.ブラジル移民について、イシイ分担者がシドニーにおけるブラジル移民コミュニティのキーパーソンに聞き取り調査を行った。在シドニー・ブラジル領事館で総領事と副領事の両名への聞き取り、代表的なエスニック・メディアのパブリッシャーへの聞き取り、最も歴史が古いコミュニティ組織であるBraccaの会長やリーダーとの面談を行なった。明らかになったのは、オールドタイマーとニューカマーとの間での意識の相違がこのコミュニティの重要な特徴だということである。 3.東南アジアからの定住者については、川上分担者が神戸で聞き取り調査を行った。 4,韓国人ニューカマーについて、日本で10名の引き取りを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
追加採択されたため、2011年12月から研究が実際に始まったので、海外のフィールドワークがやや遅れている。しかし、日本での現地調査、特に中国人についての調査は、計画より早く進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年には、計画通り、フィールドワークをしながら、データ収集を続けている。中国人については、オストラリアでの現地調査を続け、できれば、中文学校の保護者を対象とする調査票調査を行う。また、帰属感と市民意識に影響与えるメカニズムをより深く理解するため、海外研究者の協力を通って、中国系移民が多く定着している、しかし、典型的な移民社会ではないイタリアに居住する中国人についての調査を行うことも検討している。ベトナム系移民は国内のフィールドワークを中心として、オストラリアでの調査も行う。在外ブラジル人の研究も、オストラリアで続くことになる。比較のために、2012年には、韓国とフィリピン系の定住者との引き取りを多くする予定がある。
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