2011 Fiscal Year Annual Research Report
追跡研究を用いた貧困・虐待・発達障害等への「根拠」に基づく早期支援方法の解明
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23330174
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安梅 勅江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20201907)
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Keywords | 追跡研究 / 虐待 / 発達障害 / 貧困 / 根拠 / 早期支援 |
Research Abstract |
1.海外コホート研究の根拠に基づく「気になる子ども支援プログラム」に関する情報収集 「気になる子ども支援プログラム」の開発過程、内容、評価に関する海外先進機関の訪問調査、既存研究の系統的レビューとエビデンス・テーブルを構築した。「気になる子ども支援プログラム」の開発研究を実施している研究機関を訪問し、情報交換と情報収集を行った。 2.保護者と子育て支援専門職の気になる子どもの支援に関するニーズと内容把握 気になる子ども支援プログラムのニーズと内容を抽出するため、全国の保護者および子育て支援専門職、個々の子どもに対する対応の仕方、必要な保育環境、保護者に対する対応などを討論の柱として、具体的な内容を詳細に収集した。子育て支援に長年取り組んできた実践家の豊富な体験や保護者の生の声を、フォーカス・グループインタビュー法の分析技術を活用しながら整理した。 3.思春期に及ぶ「気になる子ども」発達軌跡と関連要因に関するデータ分析 調査内容は、身体的精神的ウエルビーイング状態、家庭環境、社会サポート状況、健康状態、社会適応、家族と子どもの属性などである。気になる子どもの経年的な発達状態、健康状態、社会適応、問題行動の推移を勘案しながら、思春期のウエルビーイングを目的変数に、乳幼児期の関連要因を説明変数として多変量軌跡分析により複合的な影響度の強さを明らかにした。 4.「気になる子ども支援プログラム」試案と実施プロトコル開発 1)海外コホート研究の根拠に基づく「気になる子ども支援プログラム」の開発過程、内容、評価に関する系統的レビュー、2)大規模コホートデータの分析結果、3)保護者と子育て支援専門職のフォーカス・グループインタビューにより得られた情報、4)申請者らが開発済みの「保育の質の評価指標」、を活用し、統計的妥当性及び臨床的重要性を加味しながら、有効な項目を抽出して体系化し、「気になる子ども支援.プログラム」試秦を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに順調に研究を遂行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は本年度開発した「気になる子ども支援プログラム」試案を実践の場で適用し、その効果を検証する。 検証した結果を保育の質向上のための研修に活かし、その成果をさらに経年的に検証する。
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Research Products
(12 results)