2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23330226
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
加野 芳正 香川大学, 教育学部, 教授 (00152827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 智司 京都大学, 教育学部, 教授 (60158037)
鳶野 克己 立命館大学, 文学部, 教授 (90411149)
村上 光明 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 准教授 (70166263)
古賀 正義 中央大学, 文学部, 教授 (90178244)
越智 康詞 信州大学, 教育学部, 教授 (80242105)
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Keywords | マナー / 作法 / 礼儀作法 / 教育学 / 教育社会学 / あいさつ |
Research Abstract |
マナーは、道徳と法の中間に位置づく準ルールであり、この両者と関係しつつも独自の領域を形成している。マナーは教育によって身体化されるので、教育学の重要な研究課題であるが、これを正面からとりあげた研究書は皆無に等しい。本研究は、(1)マナーを教育学の研究課題として位置づけ、人間形成にとってマナー(教育)のもつ意味はなにか、(2)私たちの社会でマナーの問題はどのように受け止められており、また、公共的な世界に参加するとともに、品格と教養ある子どもを形成していくためにマナーとどのように向きあえばよいのか、(3)学校教育や家庭教育、社会教育の問題と絡めながら、また、大学におけるマナー教育を初年次教育やキャリア教育と絡めながら、子ども・若者にマナーをどのように伝えていくべきかを、明らかにしていくことにあった。その結果、(1)マナーと礼儀作法は同じような意味に使われるが、その歴史的生成はかなり異なったものであったこと、(2)マナーを機能の側面から捉えると、人と人を結びつける機能と切り離す機能の両面を持っていること、(3)明治から昭和にかけて礼法書がたくさん刊行されたが、それはいかなる理由であったのか、(4)あいさつの持つ意味の多義性と深さについて、(5)現代社会においてマナーはどのように変質し、受け入れられているのか、(6)西欧においてマナーはどのように歴史的に作られ、社交の場で洗練されていったのか、(7)マナーを育てるという点で学校教育やスポーツはどのように位置付くのか、これらのことが明らかになった。この成果は加野・矢野編著「マナーと礼儀作法の人間学」(仮称)として、平成24年度中に刊行される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の成果を学術書の形で出版することを目標に研究を進めてきた。平成23年度は2回の全体研究会を開催したが、共同研究者全員の論文構想がまとまり、平成24年度中に出版できる目処が立った。平成24年5月中に原稿を提出することで準備が進んでいる。タイトルは「マナーと礼儀作法の人間学」(仮称)である。また、小学生、中学生とその保護者に対するアンケート調査を予定しているが、それの準備(アンケート票の作成など)をほぼ完了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.小学生、中学生とその保護者に対するアンケート調査を予定しているが、平成24年度早々にも実施し、日本教育学会等で積極的に発表するとともに、学術論文を執筆する。 2.平成24年度には「マナーと礼儀作法の人間学」(仮称)を学術書として出版する予定であるが、このテーマは教育関係者や保護者にとっても重要な知見を提供できるので、一般書としても刊行をめざしている。その際の出版社の確保が課題となっている。 3.学校調査(中学・高校など)が残っているので、平成24年度中にはアンケートの作成までを終えておかなければならない。
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Research Products
(5 results)