2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23330226
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
加野 芳正 香川大学, 教育学部, 教授 (00152827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 猛 香川大学, 教育学部, 教授 (50219961)
矢野 智司 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60158037)
村上 光朗 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 准教授 (70166263)
松田 恵示 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70239028)
櫻井 佳樹 香川大学, 教育学部, 教授 (80187096)
越智 康詞 信州大学, 教育学部, 教授 (80242105)
岡部 美香 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (80294776)
古賀 正義 中央大学, 文学部, 教授 (90178244)
鳶野 克己 立命館大学, 文学部, 教授 (90411149)
西本 佳代 山口福祉文化大学, 社会福祉学部, 講師 (20536768)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マナー / 礼儀作法 / 教育学 / 教育社会学 |
Research Abstract |
平成24年度は研究課題を遂行する3カ年計画の2年目であった。まず、研究成果(特に理論的研究)については、学術著書を刊行することを大きな目標として進めてきたが、11人の研究者が原稿を書き上げ、出版の準備が整った。具体的な論文題目は「近代西洋社会におけるマナーと社交性」「あいさつと超越性」「世界市民の作法としての歓待と弔いのマナー」「マナーと礼儀作法による〈「公共の場」〉の創成」「現代社会におけるマナーの諸相」「〈マナー〉不安の時代」「スポーツの身体性とマナー」「マナーのなかの子ども」「マナーを通して学校に公共空間を拓く」「中学校におけるマナー問題と〈粋〉」「キャンパスのなかのマナー問題」であり、これにプロローグとエピローグが加えられる。なお、出版は平成25年中には行われる予定で『マナーと礼儀作法の人間学』(仮題)として出版される予定である。 実証研究の側面からは、小学生1867名、中学生1726名、小学生と中学生の保護者2290名に対してマナーアンケートを実施した。具体的には、マナーについての考え、マナー意識・行動、しつけ、親が子ども時代に受けたしつけ、親として行っているしつけなどの項目からなっている。このうち統計的なデータについては処理を行い、日本教育社会学会などで発表した。自由記述などについてはデータ入力を行った。小学校、中学校の協力が得られ、数多くの貴重なサンプル(データ)を収集することができた。 平成25年度に出版される予定の著書は「学術書」であるが、マナー問題は広く国民の関心事でもあり、アンケート調査の結果に加え、マナーとジェンダー、品格とマナー、学校教育のなかのマナー、いじめとマナー、食事とマナー、ネット社会とマナー、公共空間におけるマナー問題、戦前期の作法教育など、マナーに関わる研究領域を拡大して討論し、これらを次年度の仮題として引き継ぐことにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由1.マナーについての解説本や、マナー書のハウツー本はたくさん出版されているが、マナーに関する研究書はほとんど皆無であり、私たちはマナーに関する研究を学術書の形で出版することを最大の目標としてきた。平成24年には11人の共同研究者がそれぞれ論文を書き上げ、平成25年度の早い時期にその原稿を出版社に渡すことができそうであるため。 理由2.平成に24年度は、小学生、中学生、小学生と中学生の保護者に対してアンケートを実施した。各小学校、中学校、さらには教育委員会の協力もあって、小学生1867、中学生1723、保護者2290の回答を得ることができた。これらは貴重なデータであり、かつ、膨大なデータである。日本教育社会学会第64回大会(同志社大学)では、これらのデータを整理し、発表を行うことができた。ただ、その分析がまだ十分にはできていないこと、自由記述のデータ入力と分析が不十分な点があること。これらは平成25年度にやり遂げる予定である。 理由3.共同研究間の討議によって、これまでのマナー研究の領域が拡大し、マナー研究に関する新たな課題やトピックが見つかり、研究テーマの拡大がはかられつつあること。たとえば、マナーと食事、マナーといじめ、マナーとジェンダー、マナーと公共空間、戦前期の礼法教育への着目の必要性などである。このことによって、研究内容がより豊かなものになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
・これまで共同討議してきた、マナーと礼儀作法に関する個人研究については、平成24年度中に原稿が集まり、平成25年度には出版できる見込みである。その際、従来は1冊の本として出版する予定であったが、哲学・人間学的な論文と、社会学的な論文とに分けて2冊本として刊行できるのではないかという意見があり、出版社と交渉していく。 ・マナーに関する子ども・保護者調査は平成24年度、順調に推移したが、まだ十分な分析ができていない。平成25年はこれらのアンケート調査の詳細な分析を行うとともに、とりわけ自由記述についてはテキストマイニング等を使用することによって、分析に力点を置きたい。そしてこれらの調査結果を論文としてまとめる。 ・平成25年度は本か件の最終年度であり、補充調査を行う。それは学校のマナー教育に関する調査であり、中学校・高等学校1500校を対象に行う。これについても本年度中にデータの分析を行い、論文としてまとめる予定である。 ・これまでの年2回行ってきた全体研究会は最終年度である平成25年度も実施し、マナーに関連した新たな研究テーマを発掘するとともに、各個人の研究を進化させていく。特に、マナーは学校現場、教師、保護者にとっての関心のあるテーマなので、学術的研究をベースに、研究成果を広く還元できるような図書として刊行していく。少なくとも、論文の章立てまでは進めていく予定である。 ・マナーは市民生活と密接に関連した行為である。これまで大学生を対象としたアンケート調査を実施してきたので、それらのデータを活用しながら「高等教育における市民的責任感の育成」(仮題)を課題とした研究叢書(広島大学高等教育研究開発センター)を編者として刊行する。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 日本の教育社会学2012
Author(s)
Yoshimasa KANO
Organizer
北京大学第2回教育社会学国際会議
Place of Presentation
北京大学
Year and Date
20120707-20120708
Invited
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