2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23330233
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
佐々木 英一 追手門学院大学, 社会学部, 教授 (30125471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 正彦 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (00202101)
中嶋 佐恵子 姫路獨協大学, 外国語学部, 准教授 (00299124)
伊藤 一雄 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 教授 (00319930)
瀧本 知加 東海大学, 熊本教養教育センター, 講師 (10585011)
木下 龍 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10586217)
吉留 久晴 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 准教授 (20387450)
西 美江 関西女子短期大学, 保育科, 准教授 (20515895)
堀内 達夫 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (40135273)
疋田 祥人 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (40425369)
佐藤 史人 和歌山大学, 教育学部, 教授 (80324375)
石嶺 ちづる 自由が丘産能短期大学, 能率科, 講師 (80551655)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 職業教育 / 職業訓練 / 中等教育 / 比較研究 / 高等教育 |
Research Abstract |
これまで、調査対象予定国の内、独、仏、米、伊、豪、ノルウェーの6カ国につき、訪問調査を行った。平成25年度は独、仏、米の調査に重点を置いた。 調査の結果、ドイツでは、サービス産業関連職種を中心に中等段階での職業教育・訓練のレベルアップが図られつつある一方、学校教育の内部にあってもwork-based の実地訓練の比重が増してきていることが確認できた。フランスも同様の傾向が確認できた。さらに、今回のドイツ調査では、中等教育レベルでの職業教育・訓練と高等教育レベルでのそれとの関連を、Duale Hochschule という機関の調査を通して明らかにした。そこでは、応用的なエンジニアリング、医療関連職種、福祉関連職種の教育訓練の態様を、カリキュラムレベルまで調査できた。 アメリカ調査では、community college の職業教育・訓練に果たす役割の変化について聞き取り調査を行った。そこでは、完結した職業教育・訓練と、大学進学準備という2つの課題をめぐっての困難と問題の所在を明らかにできた。 日本の高校調査では、福祉関連職種の養成を中心に訪問調査を行い、高校レベルの福祉教育の到達目標と教育実態、とりわけ実習の課題について問題を整理した。 以上の、調査研究の結果、本研究会仮説である、①中等教育レベルでの職業教育・訓練は、全般的にレベルアップが要請されている。②また、実際の職場での実習・実地訓練の比重が高まりつつあり、学校での理論学習とそれとの有機的関連を作るための課題が大きくなってくる。③高等教育レベルでの職業教育・訓練と、中等教育レベルのそれとの関係をどう調整するのかが、今後大きな課題となる、という問題設定の正しさが証明されつつあると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に含まれている海外の実地調査については、過去3年間で、独、仏、米、伊、豪、ノルウェーの6カ国をカバーできている。また、国内の高等学校専門学科、専門学校調査も大阪、東京、京都といった都市部と和歌山、熊本などの地方調査も行った。 これらの実地訪問調査、聞き取り調査では、学校階梯にあっては後期中等教育段階、post secondary 段階、高等教育段階をカバーし、さらに専門分野では、工業、商業、福祉、医療の分野など広範ににわたっている。 こうした調査の結果の分析と討議の中で、国際的な動向として中等教育段階での職業教育・訓練の内容の高度化と、post secondary及び高等教育段階でのそれとの関連性の強まりが確認されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画では、当初計画にあって未実施であるイギリス・オーストリア調査を行うこと、さらに必要があれば中韓などアジア諸国の動向を補うかもしれない。 いずれにせよ、今年度は研究のまとめとして、テーマである中等教育における職業教育・訓練の国際的動向を、いくつかの類型に分け、その共通性と差異を明確にする作業が中心となる。その上で、わが国の今後の中等教育以後の職業教育・訓練政策に示唆するものを整理して、現在の政策論議に積極的に関与していくことが、課題である。 これを実現するために、今まで以上に調査結果に基づいた密度高い討議が必要であり、同時に研究成果の積極的な公表に努めたい。
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