2012 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ・アメリカ等の新環境教育の教科教育学的検討と教科型環境学習プログラム開発
Project/Area Number |
23330253
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大高 泉 筑波大学, 人間系, 教授 (70176907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井田 仁康 筑波大学, 人間系, 教授 (20203086)
江口 勇治 筑波大学, 人間系, 教授 (50151973)
服部 環 筑波大学, 人間系, 教授 (70198761)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 環境教育 / 教科型 / ドイツ / アメリカ / BNE |
Research Abstract |
ドイツの理科におけるESDとしての環境教育カリキュラム・実践の動向と特質解明については、大高が担当し、1.ドイツの環境教育政策の動向解明、2.ドイツの学校教育における環境教育に関する文献調査を中心に、ドイツの環境学習プログラム、ユニークな試みと教材等々について調査した。ドイツの環境教育・学習は、世界的動向に倣い、明確に、Bildung feur Nachhaltige Entwicklung(BNE)の方向で展開しており、実践では、R.Steinerのコンピテンシー指向の環境学習、子ども哲学アカデミーの持続可能性についての哲学的考察アプローチ、関連研究では、W.Riessの基礎学校、基幹学校におけるBNEとしての環境教育の現状分析、H.Apelらの教科、科学及び社会科におけるバイオテクノロジーをテーマにしたデベートの事例分析がなされている。理科における環境教育では、研究協力者の山本が、環境教育の展開と理科授業のあり方等について研究を進めた。 社会科における環境教育については、分担者の井田、江口、及び研究協力者が、原子力発電所事故にともなう、福島県の学校での社会科教育における環境学習の変化について、福島大学において関係教員から状況を聞き取り調査し、資料を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドイツの環境教育についての文献研究に関しては、関係資料を収集し、ドイツ版ESDであるBNEの実践と研究動向を解明することは順調に進んでいる。また、教科、理科、社会科における環境教育・学習に関しては、一定程度進捗している。特に、本補助金採択23年度から、東日本大震災に伴う放射性物質による環境汚染が発生し、学校教育においても放射線に関わる環境測定、それに関わる環境学習への関心が高まり、理科や社会科においても重要な環境テーマとなっている。これに応じるべく、新たに放射線をテーマとした理科、社会科における環境教育・学習の研究も必要になっている。これに関して、社会科での対応は進んだが、理科関係ではさらに展開が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
改訂が進んでいるドイツの学習指導要領における環境教育の新たな位置づけ、基礎学校の豪華的教科:事実科(Sachunterricht)における環境教育の展開等について研究を展開する必要がある。また、アメリカ等で、盛んになっている環境倫理の視点を導入した理科や社会科での環境教育の動向についても解明する必要がある。
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Research Products
(7 results)