2012 Fiscal Year Annual Research Report
論理的思考力・表現力育成のための幼小中連携、教科間連携によるカリキュラム研究
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23330265
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
河野 順子 熊本大学, 教育学部, 教授 (80380989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 重義 熊本大学, 教育学部, 准教授 (00230962)
島谷 浩 熊本大学, 教育学部, 教授 (10258337)
山本 信也 熊本大学, 教育学部, 教授 (20145402)
坂下 玲子 熊本大学, 教育学部, 教授 (20178552)
山元 悦子 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20220452)
山崎 浩隆 熊本大学, 教育学部, 講師 (20555768)
鶴田 清司 都留文科大学, 文学部, 教授 (30180061)
佐々 祐之 熊本大学, 教育学部, 准教授 (30315387)
藤瀬 泰司 熊本大学, 教育学部, 准教授 (30515599)
住田 勝 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (40278594)
田口 浩継 熊本大学, 教育学部, 教授 (50274676)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 論理的思考力 / 表現力 / カリキュラム開発 / 幼・小・中連携 / 教科間連携 |
Research Abstract |
論理的思考力・表現力育成のためのカリキュラム開発を幼・小・中の発達を見通し、教科間連携を図りながら明かにしていくことが本研究の目的である。 この目的へ向けて、平成24年度は、教科横断的なモデルとしてトウルミンモデルを基盤に取り組むと共にそれぞれ教科独自の論理的思考力・表現力の育成を各教科ごとに明らかにした。具体的には、熊本大学教育学部附属小学校・中学校及び福岡教育大学附属小学校、中学校との連携を図りながら解明することができた。 これまで教科ごとに分断されがちであった論理的思考力の育成を教科横断的に明らかにするためにトウルミンモデルを三角ロジックに限定しながら解明していくことによって、教科間を貫く論理的思考力育成の解明を拓いたことは、研究的にも教科横断的視点を提示した意味があるとともに、実践現場で難しいと抵抗のあった論理的思考力育成のうえで、実践者にとっての羅針盤を提示したという意味で価値のある研究成果としてあげることができる。さらに、各教科において実践提案も行うことができた。 さらに、国語科ではトウルミンモデルを中軸理論として、そこにはたらく他の論理的思考力がどのように発達するのかを熊本大学教育学部附属小学校、中学校及び公立校において継続調査研究を行い、論理的コミュニケーション能力の発達調査を経た発達系統試案の精緻化を幼・小・中を通して明らかにすることができた。この系統試案によって、論理的コミュニケーションの教材開発及び実践を拓く基盤を提案できたと考える。また、発達試案をもとにした教材開発も福岡、山梨との共同研究によっていくつかの提案を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度、平成24年度の二年間でトウルミンモデルを基盤にしながら、それぞれの教科独自の論理的思考力・表現力の育成を解明することが当初の計画であった。このことが研究者と熊本大学教育学部附属小学校及び附属中学校などとの実践者との連携がかなりスムーズに行われることができたので、順調な計画が進展している。 また、本研究での中核を担う国語科教育研究者が担当している論理的コミュニケーション能力のカリキュラム開発は、福岡と熊本を中心とした附属及び公立校での発達調査及びその分析が進み、それまで明らかにしてきた幼児期のコミュニケーション能力の発達と併せて発達系統試案の精緻化もかなり進み、それをもとにした実践提案とその検証授業まで取り組むことができたので、この点は計画よりも進展がみられると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は本研究の最後の研究となる。各教科で明らかとなった論理的思考力・表現力育成の総合的カリキュラムの解明へと進展していくこととなる。 トウルミンモデルを各教科の基盤の論理的思考力として据えたことによって、これまで難しかった教科横断的な視点からの論理的思考力・表現力の育成のための総合的カリキュラム開発が可能となった。 論理的コミュニケーション能力の育成は各教科共通の重要な提案となるので、このカリキュラム案を中核としながら総合的カリキュラム案をどのように作成していくのかについての討議を進展させていくこととなる。
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Research Products
(29 results)