2012 Fiscal Year Annual Research Report
多世界パラダイムに基づく算数授業における社会的相互作用の規範的モデルの開発研究
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23330268
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Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
中原 忠男 環太平洋大学, 教育学部, 教授 (90034818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 久恵 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (00314518)
小山 正孝 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30186837)
岡崎 正和 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40303193)
山口 武志 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (60239895)
吉村 直道 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (90452698)
杉田 郁代 環太平洋大学, 教育学部, 講師 (90469320)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 算数教育 / 社会的相互作用 / 言語活動 / 規範的モデル / 構成主義 / 社会文化主義 / 相互作用主義 |
Research Abstract |
24年度は研究2年目であり、1年目の研究成果を基盤にして、研究実施計画に基づいて次の2つのことを目的として研究を進めた。 1.算数の授業における社会的相互作用の規範的モデル案の構築 2.規範的モデル案の実践的検討とその修正 1に関しては、研究者の全大会においてKJ法的な手法により、規範的モデルに求められるキーワードを列挙し、それを整理する形でモデルの構築に取り組んだ。そして、まず子どもたちが授業において基本的な話し合い活動の指導を受け、経験していることを前提条件とし、それに基づいて規範的モデルの適用学年を4年生以上とすることとした。その下で、次の5つの視点から、それぞれにおいて必要かつ有効と考えられる活動や手立てを明記する形式で、規範的モデルの第1次案を構築した。①基本的な授業段階 ②各段階における重要な社会的相互作用 ③各段階における必要に応じた教師の主要な活動 ④各段階における子どもの主要な活動 ⑤ねらいの達成のために各段階における有効な活動 次に、2に取り組み、5年生の「単位量当たりの大きさ」と6年生の「場合の数」とを対象としてモデルに基づく授業づくり、実践、その検討を行った。そこにおいて、基本的にモデルの有効性、適切性は検証されたが、授業において重視する社会的相互作用を事前の教材研究等においてあらかじめ想定しておくことの必要性と、他方で実際の授業における子どもたちの発想や相互作用に基づいて柔軟に対応することの必要性が指摘された。そこで、規範的モデルに教材研究の視点とそれに基づく重点的な社会的相互作用の論点とを追記することとした
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要欄にも記したように、今年度は授業における社会的相互作用の規範的モデル案の構築とそれに基づく授業の実践的検討を目的として研究を進め、研究者全体会等により、それらを予定通りに行うことができた。なお、算数の主要な領域である「数と計算」領域において、モデルを適用した実践的検討を行うことが必要であり、それは次年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間にわたる研究であるが、2年目までほぼ予定通りに研究を進めることができた.3年次はそれらの成果等に基づいて研究の最終的な目的である、算数の授業における社会的相互作用の規範的モデルの最終版の構築に取り組む。なお、規範的モデルの活用は教師の力量に負うところも大きく、教師へのアピールをどのようにしていくかも重要であるので、3年次にはそうした課題にも取り組んでいきたい。
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Research Products
(10 results)