2011 Fiscal Year Annual Research Report
量子可積分系に関連する代数的・組合せ論的構造の研究
Project/Area Number |
23340007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾角 正人 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (70221843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 知樹 名古屋大学, 多元数理化学研究科, 准教授 (80227842)
国場 敦夫 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70211886)
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Keywords | 可積分系 / 量子群 / クラスター代数 / 組合せ論的表現論 |
Research Abstract |
この研究課題の主な目的である「毎年の国際研究集会の開催」を、最近急速な進展を見せている量子団(cluster)代数をテーマに12月大阪大学において実行した。国内外でこの分野において活躍している4名(Zelevinsky,Leclerc,中西、長尾)にチュートリアルな連続講義をお願いし、そのあとに1日のワークショップを行った。41名の参加があり、活発な質疑応答、研究交流が行われ、成功裏に終了した。 以下、研究代表者、分担者各々の今年度における研究概要を述べる。 尾角は、研究協力者の坂本、Schillingととともに、D型のKRクリスタルに対して列スプリットを定義した。これはD型のX=M予想の解決に対する重要なステップとなる。また、Misraおよび、その学生であるWilsonとともに、例外型アフィンリー代数G_2^<(1)>に付随する可積分セルオートマトンを調べ、系に存在するソリトンの種類や2つのソリトンの散乱則についての結果を出した。 中西は、Kashaevとの共同研究により、量子団代数の周期性に付随する量子dilogarithm恒等式の種々の表示(局所形、トロピカル形、普遍形)を導出した。さらに、局所形から量子力学的手法によって半古典近似として古典dilogarithm恒等式が得られることを示した。 国場は、あるクラスの幾何クリスタルに付随するトロピカルRのタウ関数による双線形化を試み、予想を得た。また、セルゲエフによる四面体方程式の解を特殊化したものがB,Dおよび捻れD型量子アフィンリー環のスピン表現の量子R行列に一致する事を証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公約である「国際研究集会の開催」は、成功裏に終えることができた。研究代表者、分担者各々の研究計画の実行についてもおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
「毎年の国際研究集会の開催」については、来年度早々にも代表者・分担者3人で集まり、テーマを決め、綿密に計画を立てて準備を進めていく。今年度は3人の間での共同研究はなかったが、来年度からはその可能性も探りたい。
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Research Products
(10 results)