2013 Fiscal Year Annual Research Report
量子可積分系に関連する代数的・組合せ論的構造の研究
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23340007
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
尾角 正人 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70221843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国場 敦夫 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70211886)
中西 知樹 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (80227842)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 可積分系 / 量子群 / クラスター代数 / 組合せ論的表現論 |
Research Abstract |
今年度の「国際研究集会の開催」は、11月20日~22日に大阪市立大学において「Infinite Analysis 13 Autumn School: Quantum Dilogarithm, Modular Double, and Representation Theory」という標題で行った。量子二重対数関数は、可積分系にとどまらず、量子群の表現論、3次元双曲多様体や他の多くの分野を密接につなぐ重要な特殊関数として認識されており、3人の外国からの講演者を含めた5人のレクチャーは大変タイムリーで有意義なものとなった。続いて、3月4日~7日に東京大学において「Infinite Analysis 14: New Perspectives in Integrable Systems and Representation Theory」という標題で行った。こちらは研究会テーマをやや広くとり、4人の外国からの講演者を含め12人の人に講演をお願いした。国内から35人の参加者があり、この研究会も好評であった。 以下、研究代表者、分担者各々の今年度における研究概要を簡潔に述べる。 尾角は今年度も引き続きD型のKKR写像に関する研究を進めた。 中西は団代数の基礎と応用の研究をおこなった。特に、岩木耕平氏(京大)との共同研究で、完全WKB解析における変異理論の研究を開始し、StokesグラフやVorosシンボルの変異が団代数の変異とその一般化により記述されることを明らかにした。 国場は3次元可積分系と量子群の関係についての研究を行った。特に、尾角正人氏(阪市大)との共同研究で、量子座標環の表現の同型に由来する3次元R行列の2次元簡約を導入し、量子アフィン代数のq-振動子表現との関係などを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の「国際研究集会の開催」は2つ行った。11月のものはテーマを量子二重対数関数に絞りスクール形式で行った。3月のものは通常の研究会形式で行った。どちらも量子可積分系分野の研究者が多く集い、好評であったので、十分成功したといえる。研究代表者、分担者各々の研究計画の実行についてもおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度の「国際研究集会の開催」については、すでに9月に名古屋大学において、数理物理における団代数をテーマに行うことに決めており、講演者への依頼は済んでいる。アナウンス等の準備についても順調に進んでいる。代表者・分担者各々の研究計画についてもおおむね順調なので、各自の研究テーマに沿って今までどおり実施していく。
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Research Products
(16 results)