2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23340036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 昭孝 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (60115938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茶碗谷 毅 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (80294148)
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Keywords | 初期値問題 / 粘性気体方程式 / 定常解 / 時間大域解 / 漸近挙動 / エネルギー散逸 / 半導体方程式 / MHD方程式 |
Research Abstract |
研究代表者松村は、中国科学院応用数学研究所のリー・ジン助教授との共同研究において、空間3次元における粘性気体の等エントロピーモデルに対する初期値問題をポテンシャル外力下で考察し、対応する定常解が真空を持たなければ、この定常解の周りに弱い解が時間大域的に存在して、定常解に漸近することを証明した。また、大学院生との共同研究において、粘性気体の等温モデルに対し、気体が一様に真空に漸近して行くような特殊解の漸近安定性を特性曲線の方法と時間についての重み付きエネルギー法を用いて証明した。 研究分担者茶碗谷は、散逸的な大自由度カオス系の漸近的挙動について解析し、微視的なカオスによるノイズ的な揺らぎと巨視的な集団運動による構造をもった揺らぎの共存により、広い時間スケールにわたる間欠的な状態変化が発生する機構の存在を示した。 連携研究者西畑は、双曲・楕円型方程式系及び双曲・放物型方程式系の解の時間大域的構造について考察し、代表例である半導体の流体力学モデルやプラズマのオイラー/ポアソン方程式系に対し時間大域解が存在して、定常解に収束する事を示した。連携研究者柘植は、ノズル内を流れる非粘性圧縮性気体の運動を表す方程式を研究し、音速を含む時間大域解の存在を示すことに成功した。連携研究者の小田中は、半導体における量子流体モデルから、拡散スケーリングによって4モーメント量子エネルギー輸送方程式を導出し、その数値解法を与えた。連携研究者柳沢は、定常MHD方程式の非斉次境界値問題に対するある存在定理を示した。携研究者甲斐は、空間多次元での外領域におけるバーガーズ方程式の球対称解に対し、定常解や希薄波の漸近安定性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度として、分担研究者や連携研究者さらには中国科学院の研究者との研究打ち合わせに多くの時間を割くことが出来た。時間に関する重み付きエネルギー法がある種の興味ある特殊解の漸近安定性に有効なことが新たに分かるなど、出だしとしておおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究打ち合わせに基づき、改めて連携研究者や研究協力者との研究交流の時間を確保することこそが推進の方策である。特に、中国科学院の研究者複数名を、テーマと先方の都合に応じ2週間から2月間大阪大学に招聘し実質的な研究進展を図る予定である(昨年11月から学術振興会のポスドク研究員として、中国科学院数学研究所の助教授が2年間の予定で既に滞在中であることから、共同研究が加速することが期待される)。
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Research Products
(6 results)